Hiroのボードゲームあれこれ

アメリカをはじめとした海外のボードゲーム紹介・ショップ訪問記、ゲーム製作記をつづります。

2人用トランプゲーム・トリックテイキングまとめ

はじめに

2人用トリックテイキングの面白さに魅了され、せっかくなので色々なトリックテイキングを遊ぼうと、ウェブや本のルールをメモしたトリテノートを自作し、たくさんのトランプゲームを遊びました。

f:id:iroppu:20200209042505p:plain


トランプとルールがあれば遊べるという手軽さと、トリックテイキングのシンプルさ、また少しのルールを加えるだけで異なったゲームに感じる奥深さがとても良いなと思いました。

 

というわけで、主に最近遊んだ、トランプを用いた「2人用トリックテイキング」を10ゲーム紹介したいと思います!

 

目次

Whist(ホイスト)

f:id:iroppu:20200126045046j:plain
切り札なしマストフォロー、各裏面8公開8手札1041トリック。ハイかローを順にビッド、両者ローならローゲーム。スコアはハイ:トリ数-6、ロー:7-トリ数。2人用にしては場所を使うけど、スートを一度枯らしても裏面になったカードからまた出てくるから、展開があまり読めず面白い。

Supertrump(スーパートランプ)

f:id:iroppu:20200126045154j:plain
切り札とスーパー切り札を順に決めてから、前半は競り兼対戦、1トリック1点。勝ったら表の山札、負けた方は裏向きでカードもらうので後半有利。後半は競りでゲットしたカード13枚で対決、1トリック2点。裏でもらうのが後半に効いていておもしろい。

Twenty two(22)

f:id:iroppu:20200126045103j:plain

一時帰国した際に別府さいさんと京都で遊んだもの。手札から1枚ずつ出していき、数字だけで勝てるカードがなければ弱いものから消費。最後のカードだけで勝敗が決まるが、なんと「弱い数字」の勝ち。ハンドマネジメントを行い、適材適所で数字たちを見極めて出す渋いゲーム。それはそうとコメディさんのトランプくせが強すぎて数字とかスート情報が入ってきません^^

 

Briscola(ブリスコラ)

f:id:iroppu:20200128065706p:plain

山札トップを切り札にする、比較的スタンダードなトリテ。2ゲーム先取で勝ち。スートに従わなくても良いメイフォローは初めてで新鮮!「従わなくていいとなると自由度が高くなりすぎるのでは…?」と思ったが、使う・残すカードを自分で決めるのでより戦術が必要となる気がするぞ。変わってる所は、3Kより強く得点も高い所、3を取られた時のガッカリ感が半端ない。1枚ずつドローしてサクサク進むので、リズムも心地良い。

 

Ninety-nine(99)

f:id:iroppu:20200128065914p:plain99。2人用だが、半自動のダミープレイヤーが入る3人戦。手札12枚中3枚を事前ビッドに使う。3枚のビッド値合計ピッタリになったら点数爆上げ。このゲームを参照している、ルールが書く人によって微妙に違う場合があるという事に気づいた。トリテノートは壁に立てて使ってみた。生ける屍となったダミープレイヤーは、意思を持たずにどんどんルールに従ってカードを出さされてれてしまう。そんなダミー君に感情移入が止まらない。

Officers Skat(将校スカート)

f:id:iroppu:20200128065927p:plain
場札8枚から1枚ずつ出していく、手札なしのトリテ。「手札がない」トリックテイキングって発想がすごいなぁ。4枚だけ公開した状態で切り札を選べる仕組み、裏向きカードは上積みカードを取ってからしか見れないので、どのタイミングで取るかも中々戦略的に進めないといけない。「コントラ」とか「レ」という個性的なワードで事前に勝つ事を宣言できる。色んな事が少しずつ捻られている感じ。それはそうと、将校スカートという邦題が中々珍しくてカッコいい。

 

Gold Mine(ゴールドマイン)

画像

スペード2-7は得点用に伏せておき、他スートの2-7で戦う。金鉱を確認する人or手札錬金どちらかを選び、後者が先行プレイ×6トリック。山札の1番上スートがトランプ。確認した人の顔色を伺うやりとりも盛り上がった!先手プレイヤーが「金鉱を確認する」と、後手プレイヤーが必ずカードを交換しなければならなくなるので、中々に手札の読み合いが楽しい。運要素が程良い、2人用トリテ。

 

Tressette(トレセッテ)

f:id:iroppu:20200128065739p:plain

 手札10枚ずつ配って普通っぽいトリテをやるんだけど、山札からドローする時になんと「相手に見せてから」取る。このルールが加わっただけで、途端に記憶力が必要なガチゲーに早変わり。この捻り入れるだけでこんなゲームって変わるんだな。最後の計算シーンでも、カード1枚がなぜか「3分の1点」という所も「このゲームはシビアだぜ」感が出ている。めっちゃ取らないと点数取れないよ。タイトなゲーム。

 

Duck Soup(ダックスープ)

f:id:iroppu:20200128065824p:plain
前半ダックフェーズと後半スープフェーズでランクが逆転。捻りはそこかと思いきや「クワック!」と言って相手と同じ数字を出す特別ルールあり。やり返しが3回続くと最後の4枚目を奇跡的に持っていたらそれを出して「ダックスープ。」と言って締める。もうここがこのゲームの全てやしもはや漫才やんけ感がすごい。サイレントゲームになりがちなトリテで、クワックとダックスープという単語を「発声させる」というのも、ルールで縛るとみんな必ずやる。こうゆうちょっとした所で面白さを跳ね上げる工夫が良いなぁ。ダックスープ

 

Caterpillar(いもむし)

f:id:iroppu:20200128065804p:plain
同じスートかJQK何色でも出せてスートチェンジ、合計が5の倍数になるとその都度得点ゲット。並べた姿はlikeイモムシ、そうこれは陳列ゲーム。最後JQKが残ってたら1枚100点、急に点数が爆上げされてウケる。これは出せるカードの幅が広すぎて少しトリテではない感じだけど、カードをいもむしのように並べていくという点がユニークだった。

 

おわりに

普段ボードゲームを遊ぶとゲームボックスにルールブックが同梱されていることがほとんどだけど、トランプを使ったトリテは都度ウェブでルールを見てみたり(英語しかない時もある)、自分でノートにルールを書いたり、覚えていたりしないといけないんだなぁという、少し手間をかけてゲームを遊ぶ感じなんですね。手間の掛け方が普通のボードゲームとはまた違っていて、なんだか楽しかったです。ちょっと調べてメモしてからじゃないと始められない、そんな感じ。2人用トリテはまだまだあるようなので、時間を作ってもうすこし掘り下げてみたいです。

 

twitterでは色々なトランプを使って遊んでいる人を見かけるので、私も新しいトランプを見つけたら久しぶりに買おうかなと思います。

 

ボドゲイムhiro (@bodogeimu) | Twitter

Twitterでは日々遊んだゲームや、最近は漫画などをあげています。

よければFollowしてくださいね。ではでは! 

 

スウェーデンボードゲーム紀行

f:id:iroppu:20191229072444j:plain

2019年10月、そこそこ寒い時期に、かねてより行きたかった北欧・スウェーデンに行って来ました。

 

エッセン遠征・ゲームマーケットのため一時帰国・PAX Unplugged準備とバタバタとした日を送っておりましたが、やっと北欧の旅を振り返ることができたので、記事を公開します。

 

スウェーデンの位置

f:id:iroppu:20191031193718p:plain

こちらも前回のノルウェー紀行同様、北欧の1国で、スカンジナビア半島に位置します。今回の滞在先首都ストックホルムは、バルト海に面した水の都です。

 

ボードゲーム事情

スウェーデンは、ボードゲーム専門店が比較的多く、個性的なお店が多かったです。小さいおもちゃ屋をのぞいてみたのですが、そんなにボードゲームはなかった印象です。ですので、スウェーデンストックホルムに行く場合は、ぜひ本エントリーに書いた専門店へ!

 

Board Game Geekによると、コンベンションが複数開催されているようです。

 

Calcon - Kalmar (February 26-28, 2016)
Prolog - (March 4-6, 2016)
GothCon - Gothenburg (Easter; April 14-16, 2017)
LinCon - Linkoping, in May (ascensionday weekend; 25-28 May, 2017)
BSK - Borås, in October/November]

 

それでは、今回の旅で回った店舗を1店舗ずつ、思い出を振り返りながら紹介したいと思います。

 Dice Café STHLM

ストックホルム唯一のボードゲームカフェ。多くのお客さんで賑わう、活気のあるお店です。

 

店内は人で賑わっていて、知人と夕方に訪問した日は、ギリギリ最後のひと席が空いておりラッキーでした。

f:id:iroppu:20191201215653p:plain

ケーキなどカフェメニューも取り揃えられた、マダムが切り盛りする都会のほっこりカフェです。値札はミープル型になっていて、スイーツの種類も豊富です。カフェとしてデザートを注文して利用しているお客さんもいました。店名を冠したエナジードリンクなんかもあります。

 

f:id:iroppu:20191201215905p:plain

レンタルボードゲームは、クラシックなラインナップを中心に、300個ぐらいといったところ。ほとんどのゲームに、太めのゴムバンドがかけられています。

 

 

 

f:id:iroppu:20191201215137p:plain

この日は、遊んだことのなかった「Roll for the Galaxy」をこのカフェでプレイ。ダイスを秘密裏に振り、5つのアクションから自分のやりたいものを選択する。だんだんダイスが増えていくとやれることが二次関数的に増えるのですが、その頃にはもうゲームが終わるというバランスが調整されたゲームです。

 

 

会ったそばから英語素読みでルールを読む、ありがたい関係。一年ぶりの会話に花を咲かせつつ、ゲームでは真剣にアクションを選択・プレイし、楽しい時間を過ごしました。

Pocket shop

f:id:iroppu:20191201220334p:plain
続いて、専門店ではなく書店へ。スウェーデン街中に数多くある書店チェーン「Pocket Shop」の一角にもボードゲームが少しあります。いつも人が絶えず、ストックホルムの人々への活字文化の供給所となっていることが伺えます。

 

f:id:iroppu:20191201220404p:plain

この国ではゲームを『Spel』というらしいことがこの店舗に来てわかりました。同じく北欧のノルウェー語は『Spill』だったのですが、少し綴りが違うようです。ウノと同じ出版会社が発売している『SKIP BO』というゲームをここで見つけましたが、これ以降も街のそこかしこでこのゲームを見かけることになります。

 

f:id:iroppu:20191201220434p:plain
このお店は、スウェーデン独自の可愛いパッケージのゲームが多かったです。ただ、物価が総じて高く、ボードゲームやカードゲームのお値段も比較的高いように感じました。

 

Alphaspel

f:id:iroppu:20191201220959p:plain
翌日、ストックホルム中心地から電車で30分程度のHägerstensåsenというエリアにある、品揃え豊富なボードゲーム専門店「AlphaSpel」に行ってきました。2つの建物に別れており、販売エリアと、プレイスペースとなっています。ストックホルム中心地から5kmの位置に規模を拡大し移転予定だそう。

画像

ボードゲームの品揃えはさすが専門店、白を基調とした背の高い棚にぎっしりゲームが並んでいます。「アメリカへの輸送は関税で高くなってしまうからここで買ってね」と商売上手で親切な店長さんの話ににくびったけです…

 

f:id:iroppu:20191201221236p:plain
「NYHETER」は新作ゾーン。話好きの店長さんに乗せられて、スウェーデン産ゲーム「TRES」を買いました。

 

f:id:iroppu:20191229072755j:plain


 

ボードゲームギークにも掲載されていないような、その国の言語で書かれたゲームを買うワクワク感は、何ものにも変えがたい。スウェーデン語の翻訳が難解で、途中で止まってしまっていますが、セットコレクションの比較的シンプルなゲームのようなので、年明けには遊んでみたいです。

 

SF Bookstore

画像

ストックホルム、ノーベル美術館近くに位置する、SFに特化した本屋さんに来ました。ここは書店ですが、2階がまるまるボードゲーム販売エリアになっていて、種類も豊富です。

f:id:iroppu:20191204201337p:plain
日本のOTAKUゾーンが作られていて、アニメイトのような雰囲気のコーナーまであります。OTAKU USA、ANIME USAというタイトルで日本のキャラが描いてある謎の雑誌がたくさん。キャラクターグッズがたくさんあり、何人かが真剣な目で見ていました。

 

f:id:iroppu:20191204201536p:plain

一方、偶然ittenのTOKYO HIGHWAYやOink gamesの何作品かをこの店で見つけて、スタイリッシュな日本も同時に感じられた日だったのでした。

 

Dragon's Lair - Kungsholmen

f:id:iroppu:20191201224357p:plain
さて、最後はストックホルム国立図書館すぐそばのボードゲーム専門店です!スウェーデンいちであろう品揃えで、先ほどの「AlphaSpel」と同等かそれ以上です。そしてここはアクセスも良好なのも嬉しいポイント。

 

f:id:iroppu:20191201224419p:plain

『Bradspel』というスウェーデンボードゲーム雑誌まであります!中世をイメージした椅子とテーブルが店内に所々あり、個性的な雰囲気を醸し出している素敵なお店でした。

 

f:id:iroppu:20191204201757p:plain
ここではなんと著作「ピクテル」の海外版「Imagine」のフィンランドスウェーデン版を発見しました(実はデザイナーだけど諸事情で他言語版は全然持っていないので、旅行した際に買うようにしています笑)中国版は、英語+中国語と1つのカードに2言語が併記されているのですが、この版は、なんと「フィンランド語のカードセット+スウェーデン語のカードセット」が入っているのです。重量も2倍となってしまうので重いのですが、この国で買うことに意味があるという動機付けの元、無事ゲット。この後、スウェーデン語の読めるドイツ人と知り合ってこのゲームを旅中に遊べるというミラクルが起きましたが、それはまた別のエントリーで。

 

なお、Dragon's Liar の2号店はカードゲームのプレイスペースがメインとなっているお店だったため、ボードゲームが目当ての方は1号店を訪問されることをオススメします。

 

スウェーデン総括

スウェーデンは3日間だけでしたが、本記事の充実したボードゲームショップ巡りはもちろん、ずっと行きたかった場所に行けて大満足の旅でした。

f:id:iroppu:20191229072859j:plain

泊まった場所がデスメタルを流すバーの隣で、夜中までめちゃめちゃうるさかった事以外は概ねトラブルなく過ごせました。うるさすぎて寝れず、夜中に無理やり行ったコインランドリーも良い思い出です。洗剤はコップに入れてもらえるシステムだったのですが、このコップがスェデッシュデザインで可愛い。

 

f:id:iroppu:20191229072610j:plain
 

ストックホルム市立図書館

・森の墓場

・Post Museum

・近代美術館

 

上記が、今回ストックホルムで巡った中でおすすめです。

 

1人旅も好きですが、友人と合流したり、エッセンに向けて続々と集まる日本人のドイツ入りを旅をしながら知ったりと、ここでしかできないプライスレスな体験をしました。次にスウェーデンにくることがあれば、車を借りてどこかへ行くのもいいかな。北欧はこれで3カ国行ったので、フィンランドデンマークもいつか必ず行きたいなぁ。

 

透き通ったような空気と、その国独特の世界観が美しすぎて、 やめられないんだよなぁ、北欧巡り。

 

 

いよいよ一年が終わります。アメリカでは年末休暇があまりないので、31日までみなさん出勤し、1/1だけおやすみのようです。年が終わる感じがあまりしないので、いつも通りの毎日を送っています。31日は幸いにもゲーム会に誘ってもらえたので、最後のボードゲーム締めを楽しんでこようと思います。

 

それでは、みなさま、良いお年を!

 

ボドゲイムhiro (@bodogeimu) | Twitter

Twitterでは日々遊んだゲームや、最近は漫画などをあげています。

よければFollowしてくださいね。

帰国して本を作ってゲームマーケット2019秋に出展した記録と考察

ブログではご無沙汰です、hiroです。

この度日本に一時帰国し、本を3種作って、東京で開催された「ゲームマーケット2019秋」に4年ぶりに参加しました。

f:id:iroppu:20191128165227p:plain

 イベント出展の記録と感情を、以下章立てで振り返ります。

 

 

自己紹介・環境の変化

現在私はアメリカに住んでいて、7年前より趣味で立ち上げたサークル「ボドゲイム」のメンバーとして遠隔でゲーム制作活動を行っており、普段は「広報」の役割を中心として、日本のメンバー4人と一緒に活動しています。

 

実は、この1年は個人的に大きな環境の変化がありました。ご存知の方もおられるかと思いますが、複数の日本のボードゲーム企業で、米国イベント参加・和訳・DTP等のお手伝いをさせて頂いたのです。各社の詳細な業務内容はここでは伏せますが、これらの経験が私に大きな影響をもたらしました。イベント・商業/インディーズ作品を見る目が、大きく変わりました。

 

その企業スタッフとしてのイベント参加ではなく、完全な自分の趣味で、個人的に同人誌ZINE3種を作り、会場で販売しました。ゲームマーケットへの参加は実に4年ぶりになります。今回は、サークルメンバーとして実際にイベントに参加し、自分で作ったものを売り、出展した記録を振り返った感想を述べたいと思います。私の大好きなノウハウ的な記事ではなく、ごくごく個人的なゲムマ思い出日記になりますことをご了承ください(笑)

 

ゲムマが終わり3日が経った今でも、正と負のエモーショナルな感情が高ぶっており、ゲムマ以外の事を考えられない状態になっているので、この記事を書かせてもらいます。

 

出展者サイドの色合いが強い記事になりますが、もう当分出ることはないと思うので、個人の出展記録・考察として、そのまま公開させて頂きます。

 

販売した同人誌ZINE3種の売れ方

ボードゲームにまつわる本を、3種類作りました。

 

販売した本の概要

f:id:iroppu:20191010081212j:plain
本の内容はこのブログでも何度かご紹介しているので、ここでは割愛します。

GEEK MASHUP!(ニューヨークのボードゲーム会エッセイ漫画)

BOARD GAME PLACES 100(世界のボードゲームカフェ・ショップ)

BOARD GAMER'S PHRASE 1000(ボードゲーム英語フレーズメモ)

 

販売した冊数合計

昨日集計したところ、3種合わせて両日で合計1000部出ました!ブースに来て頂きご挨拶頂いたみなさん、お買い上げ頂いた皆さん、これまで応援の言葉をかけてくれた皆さん、本当にありがとうございました。制作期間は文字通り血を流した修行のような日々だったので、また別途記事にしたいなぁ。個人的な目標は達成できませんでしたが、過去最高の売り上げでした。

 

売れた時間帯

のちに記載する事前予約を行ったおかげで、待機列形成のタイミングは数えるほどしかなく、特にピークとなった時間もなかった印象でした。逆に言うと、全くお客さんが来なかった時間帯もなかったため、ほぼ休憩なしで10時〜17時の7時間販売を行いました。

 

3冊セットや単品買いの傾向

3冊セットで買ってくれる方も150名程度、英語フレーズのみ、雑誌+英語、漫画のみ、という買われ方が多く、さらには説明を聞かずノータイムで買われる方が多かったので、事前でTwitterやゲムマブログで見てくれていた方が多かったように思います。

 

 

事前予約のオペレーション

同人誌3種に関しては、事前取り置き予約を受け付けました。事前予約自体で当日や準備のオペレーションが増えることが予想されましたが「開場時の行列回避」「サークル出展者への販売手段の確保」「需要予測」のメリットがあると考え、導入に踏み切りました。

f:id:iroppu:20191128212513p:plain

事前予約数とツール選択理由

事前予約数はありがたいことに計700部ほど頂きました。前回のゲームは「ATND」というイベント参加管理ツールを使用して事前予約を行いましたが、対象の作品が3種あったのと、コメントやメアドなど受け付ける項目を増やしたいという理由から「Googleフォーム」機能を少しカスタマイズして使用しました。キャンセル管理が手動、メール送信などのカスタマイズが少し手間ですが、それ以外は不満なく使用できたため、今後もこちらを使用する予定です。

 

事前予約回収率

予約回収率は「79.3%」でした。前回事前予約を行ったボードゲーム「ブンプ星人」の予約回収率が50%であったことを考えると、この数字はまずまず良い数字かなと思います。しかし、無断キャンセル注意喚起をしても、ある程度は無断キャンセルされてしまうんだなぁという少し悲しい気持ちになりました。

 

事前予約の大きなメリット

記載内容を早めに定めて2ヶ月前より予約を受けた結果、応援メッセージが本の「制作中」に届く形となったこと。これが今回私にとって一番大きかった。制作中はアウトプットをあまりせず、モチベーション管理をしつつクオリティを担保していかなければならない、制作者にとってとても大切な時期。その時期にメッセージが届く、これだけの動機で私は事前予約制度を導入して良いと思えました。

 

事前予約を導入した後のオペレーション

ところで「700部」という数字は、700部+一般販売分を確実に持ち込まなければならない上、当日の運用をメンバーと共有し、徹底しなければならないということです。サークルとしてこれまでゲムマに持ち込んだ1日の最大ゲーム個数を悠に超えていました。ここが今回一番の不安であり課題でした。準備・運用として以下を実施しました。

 

1.予約数に対して十分な在庫を用意

2.サークル出展枠は17:00まで別途保管

3.予約者リストを複数人が確認できるよう2部用意、ひらがなでソート

4.運用は「名前をお聞きし、売れた種別・冊数のみをカウント」しリストを確認しない

 

結果、予約者の来店時間が分散し開場時の行列はできなかったし、4によりお話する時間やサインを書く時間が増え、自然にできる5人以上の行列も3度以内に収まりました。

 

事前予約の反省点

事前予約に関して反省点をあげるとするならば、1週前や前日にリマインドメールを送るべきでした。(忙殺されスケジューリングしていなかった)そのメールには「予約した名前(これを受付時に言ってくださいという名前)」を明確に記すのがベストアンサーだったように思います。「予約した者ですが…」「久しぶり!(名乗らない)」パターンは、驚異的な記憶力を持つ人間しか通用しないでしょう。また、フリーフォームでtwitter IDを入力できる項目があると、今後の交流に繋げやすいなと感じました。 

 

 

持ち込み数・需要予測に関して

持ち込み数

昔は「完売!」と言いたい気持ちがあったり、その発言がのちの商品展開プロモーションとなる事を信じてやまなかった私ですが、いつからか「イベントでの売り切れは完全なる機会損失」と考えるようになり、当日販売数の予測精度をあげ、売り切れが確実に出ないよう意識しました。私の場合は特に、日本に住んでおらず次の一時帰国時期が定まっていない私にとっては、この貴重な機会を逃すわけにはいきません。そのため、生産計画から慎重に進めました。結果、多めに持ち込み当日売り切れなし、残りをEngamesさんに日曜委託、手持ちで搬出、他社へ配送、という形になりました。拠点が日本にない分、委託先への事前連絡・すり合わせにリソースを結構割いた形です。

 

※この計画は、日曜の委託・搬送を協力頂いた企業ブースEngamesさんのご協力なしには進めることができなかった計画でした。感謝しています。

 

需要予測

なお、事前予約の比率と、実際の各冊子の販売数の比率は、非常に近いものになっていました。twitterで行った購買アンケートよりも、実際に購入頂く確度の高い方による、具体的な事前予約数の値は、需要予測として大きく機能することを確信しました。

 

人員構成・ブースサイズ・位置

人員構成・ブースサイズ

f:id:iroppu:20191129000403j:plain

人員構成は5人(写真のサークルメンバー4人+お手伝いの友人1人)で、A4プラン(販売2卓+試遊2卓)にて申し込みました。我々のサークルは6年前から「土曜参加のみ」「販売テーブルは最小の1卓」しか申し込んだことがなかったので、今回初めて2倍のスペースを取りました。4年前に私が参加した際になかったであろうブース形状のバリエーションがあり、「企業・エリア出展」が増えています。

 

 

ブース位置

f:id:iroppu:20191129113101p:plain

ブース位置は、Bホール入り口入ってすぐ一番端という、比較的良い場所でした。念のため床に養生テープを貼り、ゾーニングを行いました。お隣の方も優しく、一度だけ赤線をはみ出してお客さんが押し寄せた際も、優しく接してくれました。

 

企業ブースへの出展検討

企業ブースは一般ブースに比べ高価にはありますが、ホール内で配置される場所がエリア出展ブースに近くで、ひとつひとつのブースにスペースの余裕があり、カタログのサークルカットが大きく訴求力も高い上、当日搬入準備も優先的に行えます。一般ブースより明らかに待遇が良いです。

 

企業ブースに出展された、持ち込み商品数が多い知人に、企業ブース出展の動機をお聞きしたところ「この量を一般ブースに持ち込むと、バックヤードを占有してしまい迷惑だからこちらにした」とおっしゃっていました。今回私も同人誌の持ち込み冊数が多く、縦に積んだとはいえバックヤード通路を狭くしてしまったので「持ち込み商品数によって適したブースを選択する」という考えはありだと思います。とはいえ、とても大きな目玉作品がない限りあのような商品数にはならないので、今後も新作が1つであれば、基本的には一般ブース1または2卓分の参加にしようかな、というところです。

 

持ち込んだ作品の種類・ルール説明準備コスト

f:id:iroppu:20191129000956p:plain

持ち込んだ作品の種類

今回は、ボードゲーム6種 + 同人誌ZINE3種の計9種、過去最高です。一般ブースの机2連にゲームと本を並べるには、キャパシティがぎりぎり足りないかなといったところ。できればゲームも本もサンプルを並べたかったので、実際にはこのサイズでゲームor本が3,4種が妥当かなと思います。試遊卓でゲーム回す分には、試遊卓側に誘導できるため、ゲームは6種でもまぁ問題ないかなと思います。

 

ルール説明準備コスト

これらのゲームすべてのルールを把握するのはサークルメンバーでないと厳しいので、お手伝いしてもらった友人へは「売り子のみ」をお願いしました。

 

ちなみに、ギリギリに仕上がった新作ボードゲームの「イロトリトリ」は、東京にいるメンバーがメインで製作を進めてもらい、私はテストプレイ・校正のみで入りました。ルールが簡単だったのでルール説明も当日できましたが、ボリュームのあるゲームであれば、別途ゲムマ前にルール説明の準備をする時間が必要だと思います。

 

接客・交流・サイン

接客については、お知り合いとの交流を優先し、新規呼び込み系の接客をしませんでした。しませんでしたというか、やる余裕がありませんでした。これは、限られた帰国期間に目一杯予定を詰め込み、体調管理ができていなかった結果とも言えます。以前「接客マニュアル」で書いたピーキーで積極的な会話は1つ2つしか実施できなかったので、今後の課題です。

 

お客さんとの交流 

お知り合いとの交流は本当に楽しくて、つい先日Twitterでも個人的な100人ぐらいとの思い出を投稿しました。やはりイベントに自分で出るということの醍醐味はここでもあります。海外に住んでいると、特にゲーム会などでも交流できないため、ここで得たエネルギーは本当に大きいです。ブースにきてくれた皆さん、たくさんエネルギーをもらえました、重ね重ね、本当にありがとうございました。

 

 

サイン(メリケンサック+自作消しゴムはんこ

f:id:iroppu:20191129114812j:plain

サインに関しては、販売計画の打ち合わせの際サークルメンバーから「この販売量、サイン書く時間なんか絶対ないっすよ。その今つけてるメリケンサックに、hiroってハンコ作ってくっつけて殴っていったらいいんじゃないっすか??ww」という謎の発言を受け、面白かったので本当にメリケンハンコを作りました。消しゴムを彫刻刀で掘り、金のスタンプ台を用意して、殴るような形でメリケンハンコを押してサインに代えました。喜んでもらえてよかったです。

f:id:iroppu:20191128215617j:plain

(ピピタパンさん、お写真ありがとう!)

 

買ってもらえなかった悔しさ・本質を伝える広報の手薄さ

客観的に見て数は過去最高に売れたので(サクセスストーリーっぽく書こうか?)と思ったのですが、ゲムマのようなインディーズイベントに趣味で出る上では「自分のやりたかったことができたのか?」の振り返りが重要だと思ってるので、やっぱりそこは自分の気持ちに正直になって、この話をしようと思います。

 

買ってもらえなかった悔しさ

この時期はゲムマ後の風物詩として、購入した作品を投稿する「戦利品報告」が Twitterに溢れます。それを眺めると、以前うちのサークルのボードゲームは買ってくれていたが、今回の本がなかったりする。1種類以外はいらないかなって言われたことを思い出す。他のボードゲーム漫画は買われているけど、私のがなかったり。「漫画は俺はいいかな」と直接言われたり。私、なんか、まだまだだなぁと思いました。お客さん全員を満足させることは不可能で、感想を投稿したりして応援してくれている方を大切にしたいのと思うのです。が、割と広くターゲットを取った本なだけに、これだけ母数もあるとプラスもマイナスも一気に入ってきます。対面で販売したので、余計にです。

 

個人的に立てていた売り上げ目標も達成できなかった。すごく悔しい。

 

私自身、割とコミュニケーションが得意そうと言われ、メンタルが強そうと言われます。概ねあってますし、勢いでネガティブな感情を打ち消す方法も知っています。でも、そういった性格であっても、上記のことは、単純に悔しいんです。

 

本質を伝える広報の手薄さ

今回は、コンテンツに自信がある状態で、私らしいものを作ったつもりなんです。絶対他にないもの。でも、その立ち位置のユニークさ(例えば、ニューヨークのゲーム会漫画です!とかゲームカフェ100個載ってます!とか)に安心していた。けど、なんというか、自分の作品をもっと愛して「ここがいいんです!」って部分を惜しみなく伝えられてなかった。長年チームで作ったものに対する広報をしてきた経験があったけれど、逆に完全に自分のものとなると、どうしていいかわからなくなった。結果、twitterでは製作記だけを延々投稿していく形になってしまったし、本質が伝えられてなかったことを後悔している。製作記って結構ブラックボックスで、漫画なんか特にストーリーなんだから、中身なんか全然そんなんじゃ見えない。もっともっと、感情的に伝えるべきだった。漫画のケニーだって、今見たら説明に載ってない。ゲームカフェも、ネットから取った写真のガイド本だと思ってる人がいた。英語も、ここに至るまでの経緯なんてのをすっとばして、量だけでなぜか推していた。全体的に、本への情熱が足りなかった。私が一番誰よりも見つめてあげなければならないものを、広報経験があるにも関わらずできなかった。販売ブースに立ってから、そのことにゆっくり気づいていった。当日の接客でリカバーする元気も出ないまま、ただ、心の安定が得られる交流に、心の比重を置いた。この自分の逃げみたいな姿勢も、悔しかった。

 

今はゲムマ後まだ3日しか経っていなくて、正にも負にもとてもエモーショナルになっていて、人に会えた嬉しさ方向の感情と、こういった悔しさの感情が両方一緒に来ています。感謝の気持ちはあれど、やっぱり、私は自分で作ったものを、もっとたくさんの人に届けて、共感してもらいたい。制作者として、広報として、どっちも全部ちゃんとやりたい。だから全然満足できていないんだと思います。

 

はじめての本作りで、3種類同時に作って自分の手で売ることにした。一時帰国の間に、日本で販売・委託をすべて手配して無事にアメリカに帰る。この目標がそもそも無茶だと言えばそうだけど、どうにかやりきれると不思議と思えた。でもやっぱり実際にやってみると細部のコントロールが大変で、上記みたいな、手が回らない部分に甘さが増えていった。そんな結果だったように思います。

 

さいごに

定量的なデータを紹介していくつもりが、感情論満載の記事になってしまいました…。でも、こういった色々な感情が生まれることを含めて、やっぱり自分でイベントに参加することってすごく重要だと思えたし、ゲームマーケットってやっぱりいつ出てもいろんなことを感じられるなぁ、と思いました。またいつか、必ず今回の反省を受け、もっともっと成長して、たくさんの人に会いに、自分の作品を手にとってもらいに行きたいです。

  

ゲムマ記録といいつつ、まとまりのない文章になってしまいすみません。少し休んで、また何か、新しいことを始められたらなと思います。ひとまず、同人誌編集が落ち着いたらやってみたかった曲作りに挑戦したいと思います。

 

購入頂いた方へ

そういえば、感想を募集しています。本の後ろにQRコードをつけていたのですが、やっぱりハードルが少し高かったかな。チェックボックスで選択するだけでも良いので、ぜひ感想をお聞かせください。制作の励みになります。

 今後の本の取り扱いについて

f:id:iroppu:20191129120154j:plain

以下取引先にて、委託販売を行っております(敬省略)

 

東京→コロコロ堂★
大阪→賽翁lab!DDTデザート*スプーン
富山→Engames★
全国→イエサブ★秋葉原BEEP★

 

現在増刷の予定はなく、手元にも数冊しか残さず日本で委託をお願いしてアメリカに帰ってきた状態です。気になる方は、上記店舗や、★マークのある通販にてお買い求め頂けると嬉しいです。

 

また、12/8(日)に大阪・中崎町で開催される「盤祭2nd」では、株式会社アソビション様ブースにて本3種の委託販売を行って頂く予定です!

生まれ故郷である大阪で、イベント販売されて嬉しいです。第2部:販売エリア32,33株式会社アソビション様ブースまで、ぜひお越しください。

 

今日はサンクスギビングです。やっと、ひと段落できた気がします。

しばらくゆっくりしようと思います。 Have a nice Holiday!

Essen SPIEL '19で遊んだ新作ゲーム紹介(後半)

はじめに

前半に引き続き、Essen SPIEL '19で遊んだゲーム紹介を行います!前半はこちらをご覧ください。 

 では後半、参ります!!

 

House Flipper

f:id:iroppu:20191104100210j:plain

「宝石の煌めき・リアルタイム版」と紹介を受けたスピードゲーム。カードに描かれたリソース分コストを払い購入、目的カードが条件分揃った人の勝ち、という一般的な条件なのです。が、なんとこのゲーム、砂時計が落ちきったら、その色のリソースキューブを獲得できるというリアルタイムゲーなのです!砂時計の砂をじーっと見ながら次に何を取るか考えているのは序盤のみ、砂時計が増えて自分もパニックになりつつバタバタとプレイする、初めてのプレイ感のゲームでした!

 

CARROSSEL

f:id:iroppu:20191104100101j:plain

続いて、独特な感じのゲーム、カルーセルです。プレイヤーの担当位置が一意になるよう回転木馬ボードをセット(ゲーム中固定位置)し、数字カードと色のカードを他プレイヤーに見えないように持ちます。数字カード1枚と色カード1枚を全員同時に出し、数字が指定した場所へ指定した色のタイルをセットします。その状態でエリア内に目的カードの並びと同じタイルの並びがあれば、そのタイルを置いた人が取ります(タイルの上に置いたコマは所有者を表しています)。その後ボードを90度回し、また条件を満たしてないかチェックします。これを確か13ラウンド繰り返し、得点の多い人が勝ちです。取得した目的カードは特殊能力を持っており、得点にするもよし、能力カードとして使うもよし。回転するギミックがわくわくするのと、エリア内でうまく並びをつくれるようハンドマネジメントしなければならないのが難しくも楽しかったです。

 

 

 Masters of Renaissance: Lorenzo Il Magnifico – The Card Game

f:id:iroppu:20191104100131j:plain

タイトル長い!(笑)エッセンで私が唯一買った中級ゲームです。カードゲームなんてのは嘘、タマ取ってコツコツ貯めるゲームです。ただ、置けるリソースがかなり限られているので、「アクティベート」という特殊なアクションを使い無限倉庫を駆使してリソースを貯めるのです。そのアクティベートをするためにもカードが必要なので、まずはしっかりとリソースを確実に取って低コストカードを取るのが重要。場からカードを買う攻防は、宝石の煌めきライクで馴染みのあるルールでわかりやすいです。タマは縦横1列のいずれかのリソースがすべて獲得できるのですが、取りすぎると捨てるためにペナルティを食らうところがよくできてるなぁと思いました。 

 

 

 

Banana Bandido

f:id:iroppu:20191104100051j:plain

なぜかバナナテーマの新作ゲームが多い今期のエッセンシュピール。ベラルッティを出版したドイツの会社「Mogel-Verlag」が販売している、小箱ゲームです。フードコートのあるガレリアで立ったまま試遊・販売を行なっていた目立つブースでした。木とバナナを集めてコインに交換、指定数のカードを集めたら勝ち。ただ、他人のカードを他プレイヤーで協力して破壊することができるので、「あいつ、もう1点で上がっちゃうよ?俺2つ出すからお前3つ出してあいつのカード協力して壊さない?」などの交渉が入ります。交渉が入ることにより少し(英語での)プレイの難易度が上がっていますが、そこを除けばとてもシンプルなつくりなゲームになっていると感じます。

No Return

f:id:iroppu:20191104100111j:plain

黒地にカラフルなタイルが目を惹く、話題作ノーリターン。数字のタイルを順に場に出して購入候補を作っていき、自分のタイミングで購入を開始する。購入しきった分しか得点にならない、むしろ購入できなかったタイルはマイナスになってしまうので、バッグの中の全タイルがなくなり切る前に良い塩梅で購入しなければならない、計画が必要なゲームです。
Essen SPIEL前に寄った書店でも取り扱っていたので、今後マスリテーラー等でも広く普及しそうな作品。

 

Save the Meeples

f:id:iroppu:20191104100231j:plain

マルチエンド=終了条件2つ、ミープルをロケットで指定回数打ち上げるか、人間を救う。4方向の列車の先にはそれぞれリソースを取る基地のようなものがあり、列車を出発させるには1アクション消費してしまう。10個しか持てないリソースをうまくやりくりして、自分の思ったアクションができるよう進めていく。今回遊んだのがジャイアントエディションで、ボタンを押すと煙が出る汽車のギミックが本当に凝っていた…!

 

Project L

f:id:iroppu:20191104100120j:plain

カラフルな見た目に惹かれ試遊!各プレイヤーは、1ターンに4アクションできます。場からカードを取るか、最小の1ブロックピースを取るか、1ピース分アップグレードするか、ピースをカードに配置するか。そうしてウボンゴライクなミニ目標カードを達成していきます。最後の「ピースをカードに配置する」のみ特殊で、各カードに対して1ピースずつ配置できるのです。ただ、2アクションめにこれを使うと1ピースしか置けないのであまりお得感はないので注意です。完成したカードに使用したタイルも全て手元に戻ってくるので、少し拡大再生産をしている感じも楽しめます。

 

おわりに

前半・後半に分けてゲーム紹介を行いましたが、いかがでしたでしょうか。前半でも書いたのですが、リアルタイムな感想でない分、比較的ドライな感想になっております(笑)twitterと違いブログは後から(自分でも)辿りやすいので、これからも何かテーマ単位でかける際には書こうかな〜と思います。

 

いよいよゲームマーケットが二週間後に迫ってきました。東京・東北と諸手続きのため移動しっぱなしですが、同人誌は実家の方に大量に届いたようです。

これでなんと全体の半分の量なんです。衝撃ですね。 ニートが一体何をやっているんでしょうか。しかし、もうここまで来たら逃げられません。日本を楽しみつつ、諸々の準備をがんばって進めていこうと思います!

 

サークルで新作ゲームも出すよ!!!!情報はもう少し待ってね!!

出せる形まで進めて、最後の力で広報はりきって頑張りますね!!!

 

 

ゲームマーケット2019秋の出展内容の詳細はこちらから!!

Essen SPIEL '19で遊んだ新作ゲーム紹介(前半)

はじめに

f:id:iroppu:20191104100251j:plain

先日、ドイツで世界最大のボードゲームの祭典「Essen SPIEL '19」が開催されました。4日間のうち3日間参加し、当日買ったボードゲームを知人と現地で遊ぶことができたので、簡単な紹介で振り返っていきたいと思います。いつもゲーム会で遊んだ感想はすぐTwitterで勢いで呟いてしまうのですが、今回会期中・会期直後にも予定を詰めたため全くリアルタイムレポができませんでした(笑)日本へ向かう間の13時間のフライトで時間があったので少し書き進めました。

 

というわけで、これぞボードゲームブログっていう感じの、新作ボードゲームレポを久しぶりに。旅行記はまた別途公開します!では前半参ります!

 

 

Azul: Summer Pavilion

f:id:iroppu:20191104100221j:plain

アズール独立続編3作目、一体どれだけ出すのかキースリング。期待の新作とあり「Next Moves」の試遊ゾーンはかなり待ち時間が長く、プレイを待つ人がプレイ中のテーブルを観戦しているような人気ゾーンとなっていました。

 

アズールは現在3種類リリースされており、1作目がドライな感じで好きなんですが、2作目に関しては、ステンドグラスを完成させるとガラスがどんどん割れて廃退に向かっていく感じがあまり好きではなかったんですよ。ので、正直「また続編か〜」ぐらいの気持ちでいたのですが、これは面白い!盤面は後半にいくにつれてどんどん華やかになり、適度なインタラクション、ボーナスによる加速度合いが3部作で一番好きでした!ペナルティが弱くなり、条件達成時に即時でタイルボーナスが得られることで常に快感が続きます。40ユーロだったのと荷物の重量制限があったので見送りましたが、アメリカでリリースされたら即買います!

 

Dawn of Mankind

f:id:iroppu:20191104100241j:plain

個性的なプレイ感の中級ゲーム。限られた食料2種・道具2種のパラメータをやりくりして、ワーカーを増やし、休ませ、個性的なのが、アクションに方向性があることで、人間が大人になっていき、最後には死んでしまうこと(確か別の表現がされていた)ので、どんどん新しい命を追加していかないといけないのがユニークですね。ワーカーって増やすだけじゃなくて死ぬんだ。という。

 

Fast Sloths

f:id:iroppu:20191104100041j:plain

フリードマン・フリーゼの新作!プレイヤーはナマケモノ(動物)になります。ボード上に散らばったピースを集めるゲームなのですが、ナマケモノ本人は動きたくありません。そこで、他の動物たちを呼んで、運んでもらおうという超なまけたゲームです。動物たちはそれぞれ動き方に特徴があり、水+水辺コマしか動けないワニや、1マス以下で連続して集まらないと運んでくれない働きアリなど、動物が多種多様なのが面白い。毎ゲームどれを使うかがランダムということもあり、飽きずに遊べそうです。フリードマン・フリーゼのゲームを今回初めて遊んだのですが、「変なゲームばっかり作ってる」という印象が変わりました(笑)

 

Pctures

f:id:iroppu:20191104100200j:plain
こちらはどのお題を作ったか当ててもらうゲームです。写真のように、A1〜D4の計16枚のお題カードが場にあります。このどれかを5種類の道具いずれか使って作るのですが、この道具がクセモノ。手前にあるのが「石と木のセット」で、こんな道具だけで風景を作らなければいけないのです…!そんなセットが5種類あり、左回りのローテーションを行いみんな平等に使っていきます。

 

遊んだときのやりとりを漫画にもしたので、ぜひご覧ください!

Blue BANANA

f:id:iroppu:20191104100141j:plain

青い不自然なバナナ。そう、これは「本来の色・形」を取っていくゲームです。「緑」の「帽子」カードがあるとして、「帽子」は本来「黒」が正しいので、場にある「黒」のカードを形を問わずとります。また、緑の帽子カードですが、「緑」は本来「カエル」の色なので、場にある「カエル」のカードを取ります。こうしてどんどん取れるカードを取っていき、もう取れるカードがないよ、という状態になったら真ん中の青い不自然なバナナを掴んでラウンド終了(正解だったらカードが2枚もらえる)。こうして、ゲーム終了時にカード取得枚数が多い人の勝ちです。連日の疲れで頭が全く働かず、数枚しか取れず終わりました (笑)条件を満たしたカードがガンガン取っていきますが、おばけキャッチのように取られてすぐそのラウンドが終わらず続くので、幅広い人と遊べそうだなという感じです。

 

Laser

f:id:iroppu:20191104100150j:plain

こちらも早取り系。猫のパッケージの印象とは打って変わって、条件を満たすカードを取るまでの手番数を答えるガチゲーです。ハイパーロボットのような感じです。このゲームがユニークなのは、混色の原則を使用しているところで、たとえば赤+青=紫になります。紫の宝石が描かれている場合、「紫の宝石そのものがある場所」か「赤を青の宝石の場所まで持っていく」と条件を満たします。それだけでは簡単すぎるので、カードの色(グレーとか茶とか)も一致させるのです。それを中央のカード2枚分を作るまでの手番を答えるの。むずいでしょ。むずいね。全然ダメでした(笑)

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。イベント直後のゲーム会で遊んだものも含めて、今で半分ぐらい紹介できた気がします。後半に続く〜〜!!

 

追記:後半書きました!

 

ボドゲイムhiro (@bodogeimu) | Twitter

Twitterでは日々遊んだゲームや、最近は漫画などをあげています。

よければFollowしてくださいね。

ノルウェーボードゲーム紀行

序章

f:id:iroppu:20191031190043j:plain

ニューヨークから8時間、深夜便でノルウェーオスロへやってきた。

 

石畳、レンガ造りの建物、人間が住む家から出た光。たくさんの色が、水たまりに反射している。過去に訪れた小樽運河を思い出すような風景。冬めいてきたこんな雨の夜は、アジア人はおろか観光客が見当たらない。6時にはもう日が落ち、みな早々に明日への準備のため家に帰宅するようだ。

 

スマホを見ずに、音楽も聴かずに、気持ちの赴くままに未知の街を歩く。目に飛び込む大量の情報量に、いつもどれだけ前を見ず歩いているかを実感する。

 

f:id:iroppu:20191031190047j:plain

信号機は、青い部分は1つなのに、赤い部分は2つ点灯している。人々はノルウェー語を話している。道を尋ねられる。知らないよと答える。観光地ではなさそうな、閑静なエリアを歩く。夜に出歩くという危険な事をしている事は承知なので、いつもより五感を研ぎ澄まして歩く。次の日に目覚ましで目を冷ます。起き抜けにフルーツを食べながら、そういえばあの静かな街に住んでいた友達は今何してるかなぁと思いにふける。調べていたお店を覗く。時間が空いたら、良さげな喫茶店に入って、文章をしたためる。ノルウェイの森を読む。小さな気づき、何気ない行動。でも、ここがノルウェーというだけで嬉しくなる。そんな街だ。

 

冬めくノルウェーの風は肌を刺すように吹き抜ける。旅のはじまりの静けさが、私を静かに興奮させる。

 

はじめに

いつもと違う書き出しにしました。お元気ですか?hiroです。先週、ドイツで開催されるボードゲームの祭典「エッセンシュピール」に合わせ、ノルウェーに3日間行ってきました!冬めくノルウェーは本当に美しく、感じる事の多い旅になりました。旅に合わせてボードゲームショップに訪れたので、そちらを紹介します。

 

ノルウェーの位置

f:id:iroppu:20191023172733j:image

ノルウェーはヨーロッパのうち北欧と呼ばれる北部にあります。赤いピンがノルウェーで、青い丸が現在地のドイツです。今回の滞在地オスロは、スカンジナビア半島の南部、隣国スウェーデンに比較的近い場所に位置します。10月中旬で6-9度と、寒さが厳しい季節になっていました。

 

ボードゲーム事情

まずはじめに、ノルウェーボードゲーム事情から。いつも行う事前調査で、オスロにはゲームカフェはなく、プレイスペースも1店舗しか見つけられませんでした。本屋やおもちゃ屋に少しボードゲームがあります。取り扱っているボードゲームは、ドイツが近いですがドイツ語版はあまりなく、独自のノルウェー語の言語版が流通したり、英語版ゲームが多い印象でした。 

 

 

『Årets Spill』と呼ばれる、ノルウェー年間ボードゲーム大賞があります。キッズゲーム部門、ファミリーゲーム部門、パーティゲーム部門などがあります。2018年はBaluba、AZUL、Re-playというゲームが受賞しているようです。

BrettspillguidenBrettspillguiden

 

なお、ゲームはノルウェー語で「Spill」と表記するようです。それでは、早速訪問したお店を紹介していきたいと思います!

 

1.Sprell Majorstua

f:id:iroppu:20191023164901j:image

はじめに、ノルウェーの中心地オスロから少し離れたHomansbyenエリアのおもちゃ屋へ。

 

f:id:iroppu:20191023164755j:image

DJECOやHABA製品が多く、時々ノルウェー語らしきパッケージもあります。アメリカンスタンダード商品は見かけず、英語版ではあるけど、過去にヨーロッパ(ベルギー・オランダ)で見かけたゲームが多い印象です。ベビーグッズからステーショナリーまでを扱う、ゲーマー向けではないお店ですが、癒しの店舗という感じ。店の外にある遊具も可愛いので、箸休めがてら寄ると良いですね。

 

このお店があるHomansbyenエリアは、個性的なセレクトショップも多く立ち並ぶエリアなので、そこに立ち寄るのもおすすめです。 

 

2.Outland Kirkengata

f:id:iroppu:20191023165157j:image

ホビーショップ『Outland』のオスロど真ん中の支店。ノルウェー内でおそらく一番ボードゲームの品揃えが豊富です!入り口の、クモの巣がかかったレゴのハリーポッターが目印です。つかまっとるがな。店内にもハリーポッターゾーンがあるよ。

 

f:id:iroppu:20191023165205j:image

売り場はこんな感じで、ルービックキューブがぶら下がっているので、そこを目指せばOKです。

 

f:id:iroppu:20191031190200j:plain

オリジナルダイスケースまで展開しており、ボードゲームの取り扱いに力を入れている印象です。

 

f:id:iroppu:20191031190147j:plain

Starship Samurai」というボードゲームの手作りキットのようなものがウレタンケースで販売されていました。自由度の高いお店である。

 

3.ARK Egertorget Oslo

f:id:iroppu:20191023170039j:image

続いて、ノルウェー内に多数展開する大型書店『ARK』のカールヨハン通り支店に来ました。基本的には本売り場ですが、地下の一番奥にボードゲームがあります。そこに、全在庫を積み上げているのかという程の高さのボードゲームがあり、思わず笑ってしまいました。天井スレスレです。

 

f:id:iroppu:20191023170052j:image

そこかしこで見かけるアイコンの『EGMONT』はポーランドの出版社のようです。蜂の顔が怖いインパクトのあるパッケージの『Bygg med Bier』は、ノルウェー語のミツバチの構築ゲームといったところでしょうか。タイトルが全く推測できません…

f:id:iroppu:20191023170911j:image

f:id:iroppu:20191031190134j:plain

その他、見た事のないボードゲームが多く、書店といえどボードゲームを眺めるのを楽しめました。

 

 

4.Tanum Byporten

f:id:iroppu:20191023170457j:image

続いて、オスロ中央駅直結のモール内にある、大手書店『Tanum』の支店です。この書店は、ノルウェー語と英語の書籍が混在しています。

 

ノルウェー語の『ゲーム』はどうやら『Spill』と表記するらしいと、このお店でやっと知りました。

f:id:iroppu:20191023170510j:image

バラ売りされている『YATZY』のスコアシートは初めて目にしました。スタンダードなゲームとして、広く楽しまれているのでしょうか。

 

 

f:id:iroppu:20191023170523j:image

パッケージが美しい商品は、目につく場所に集められています。

 

5.Outland Storgata


1階に販売エリア、2階にプレイスペースを持つ、オスロ唯一のボードゲームが遊べるお店。ここは2つ目に訪れた『Outland』と同じ系列で、こちらの店舗がボードゲーム専門店とあったので出向いたのですが、ボードゲーム販売はKirkegata支店に移動したようでした。

 

 

f:id:iroppu:20191031190109j:plain

ボードゲーム以外のミニチュアやゲームブックが豊富になっており、壁一面のミニチュアが圧巻です。

f:id:iroppu:20191031190121j:plain

2階はプレイスペースになっており、約100個のゲームがありました。敷地が広いので、ゆっくり遊べそうです。

 

さいごに

f:id:iroppu:20191031190053j:plain

ノルウェーボードゲーム事情を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。知らない街でボードゲームを探す楽しさもそうですが、何よりノルウェーは本当に静かな美しい街で、ぜひおすすめしたいです。

 

ヨーロッパ周遊から帰って間も無く、いよいよ今週日本に一時帰国します。混沌とした、だけども愛しい日本へ帰るのを心待ちに、原稿の大詰めをやりきろうと思います。エッセンシュピールの記事もまだ書けていないので、頃合いを見て書きたいところ。では!

 

ボドゲイムhiro (@bodogeimu) | Twitter

Twitterでは日々遊んだゲームや、最近は漫画などをあげています。

よければFollowしてくださいね。

アメリカのゲーム会に参加した漫画を100話まとめた「GEEK MASHUP!」を制作しました

f:id:iroppu:20191016075111j:plain


こんにちは、サークル「ボドゲイム」で広報を担当しているhiroです。このたびアメリカから一時帰国してゲームマーケットに4年ぶりに参加できることが決まったため、そこにあわせてボードゲーム同人誌ZINE3種(漫画、英語、雑誌)を個人的に制作しました。本ページは、そのうちの1つである「GEEK MASHUP! -ニューヨークのボードゲーム会エッセイ漫画-」を紹介します。

 

ニューヨークではボードゲームを遊ぶ相手が少ないので、オンラインで見つけたボードゲーム会にほぼ毎週参加しています。そこには、想定もできないような愉快な人がたくさんいます。この漫画は、そのボードゲーム会で体験したエピソードを、4コマ漫画をギャグ風に描いてTwitterで一年にわたり投稿していたものです。

 

ありがたいことに投稿中に多くの方から反響を頂き、気付くと100話たまっていたので、せっかくなので一時帰国のタイミングで本にしてみようと思いまとめたものになります。

ご覧の通り、見る人が見たら「えっ?」という感じのレベルの絵なんですが、比較的文字多めの漫画なので、なんとか読めると思います(笑)

ゲーム会参加当初の1年半前「お前の言ってる事全くわかんねぇよ」的な事を言われたり、椅子の上に片足で立ってカードを投げる人や、ウインクを永遠に投げかけてくる人などポンポン出てくる強キャラにいちいち衝撃を受けていましたが、今となっては彼らも友達、もう相当ずば抜けた発言や新キャラが出てこないと驚かなくなってしまった自分が居ます。アメリカのギークカルチャーの一端で、個性豊かなボードゲーマーたちと過ごした体当たりの1年の軌跡の実録漫画、ぜひ苦笑しながら読んでくれると嬉しいです。

 

なお、ボードゲーム用語が頻繁に出て来るため、おまけとして「ボードゲーマー用語解説」ページをつける予定です。最近ボードゲームをはじめた方、ディープなボードゲーム用語はよくわからない、という方も、そちらを見ながら読んでもらえると嬉しいです。

 

直近の20話はこちらにて公開中です。

 

 

販売情報

f:id:iroppu:20191010065100j:plain

現在、以下店舗・サイトにて、委託販売を行っております(敬省略)★は通販です。

  

東京→コロコロ堂★
大阪→lab!DDTデザート*スプーンキンケッドテイル
富山→Engames★

全国→BEEP★イエローサブマリン★

 

現在増刷の予定はなく、手元にも数冊しか残さず日本で委託をお願いしてアメリカに帰ってきた状態です。気になる方は、上記店舗や、★マークのある通販にてお買い求め頂けると嬉しいです。

 

ツイッターで最新情報を投稿中です。

ボドゲイムhiro@ゲムマ東京(土)出展 (@bodogeimu) | Twitter