Hiroのボードゲームあれこれ

アメリカをはじめとした海外のボードゲーム紹介・ショップ訪問記、ゲーム製作記をつづります。

「蒸気コン」参加レポpart2(蒸気スラング・印象的な出来事編)

前回は、概要と遊んだマップを紹介した記事を書きました。

 

 

hirobodo.hatenablog.com


今回のエントリーでは、さらに掘り下げ、メインストリームでないところも紹介していきたいと思います。こちらの方がマニアックな記事になる予感がしますが、蒸気のゲーム内容自体に触れていないという面では、蒸気を遊ばない方も楽しめる記事になっているのではないかと思います!それでは始めます!

 

蒸気スラング

アメリカ各州から参加者が集うこのイベントでは、通常の英語と同様、各地・各コミュニティで使用している用語をたくさん聞くことができました!印象に残った「蒸気ならではだなあ」と思ったスラングをいくつか紹介します。

 

TOP:

トップ、と文字通り読みますが、なんとこれ「ターン・オーダー・パス」の略です。アクション選択時に「ターン順パス」を選択する時「I'll TOP. 」と、略語を動詞として使用しており、衝撃でした。他のコミュニティでも使っていると聞いたので、使っていきたいなと思います。

 

Donglers:

未完成の線路のことです。

 

Town me please.:

こちらは、townを他動詞として使用する例です。蒸気の時代では「町ディスクを置く」ことがゲーム中によくあるのですが、その「町ディスクを取って(俺に渡して)」という意味です。よく似たニュアンスである「Urbanize me please.」(俺を都市化して→都市化アクションのところにディスク置いて)はニューヨークのコミュニティでも聞いたことがあったのですが、さらに派生して「townを動詞化して使用」している事に驚きました。

 

shenanigans:

全く聞いたことがなかったんですが、「ふざけたこと」を指す単語だそうです。蒸気中に、やらなくてもいいアクションだけど一応アクションを選択しておいて自分のターンには何もしないような、そういったことを指すようでした。

 

despictable:

いじわるな、卑怯な、と言う意味の単語です。誰かをブロックするようなアクションをすると、言われます。いじわるな動きを他プレイヤーにされたとき、以前は「mean(形容詞)」をよく聞いてたのですが、このコンベンションでは、こちらをよく聞きました。さらなる上級のいじわるさ、のようなイメージでしょうか…

 



bust out:

蒸気における「領域(自分の線路)を広げていく」と言った意味です。I wanna bust out east.で「東の方へ領域を広げていきたいな」のように使われていました。この時以外にも何度か聞いて、カッコいいのでこれは今後も使いたいと思っています(笑)

 

I'm vacationing at 1st round:

最初のターンに何もできなくて遊んでいること」をこう表現していて感動しました!NYではchillin' outをよく使うのですが、それがバケーションに置き換わり(しかも動詞で)、蒸気でこうやって使うんだ!と感動したものの1つです。

 

hit the shelf:

収入トラックのボーダーを超えてしまうことを、こう表現していました。例えば、収入トラックの10で止まれば収入減衰がないのですが、11で止まってしまうと収入減衰が2となり、損をしてしまいます。この10と11のボーダーをshelfと言うそうです。誰も減衰しなかったターンに「No one hits the shelf!」 と言っててカッコよかったです。

 

Double Base USA:

ここからは全く実用的でない余談になりますが、野球などで使用する「ベース」と言う単語にダブルをつけると、少しセクシュアルな響きになります。野球で、1塁・2塁を経由しホームベースにたどり着くまでの様子を、恋愛の進行具合になぞらえるそうです。このような背景があり、このマップが出た時、とある地方の蒸気勢が「えっ!?そんな名称で蒸気コンマップ出しちゃうの!?」と盛り上がったそうです。何を意味するかの直接的説明は避けますが、備忘録として残しておきます(笑)

 

CCMF:

まさかの「チューチューマザー○ッカー」の略です(笑)口頭ではあまり書かれることはなく、元々文面で使用されていたものだとか。チューチューは元々蒸気機関車の音を表現するのに使用されているのですが、近い間柄のプレイヤーに蒸気で嫌なアクションをされた時、これに対し、CCMF!と言い返すらしいです。語感と発想がおもしろすぎますが、Fワードなので使用には注意です。

 

JCL:

これはおまけですが、デザイナーJ.C.Lawlenceの人名の略称です。しかも、製品版のデザイナーではなく、インディーズデザイナーの略称なのです。わざわざ略称まで作って呼ばれているほど、彼は個性的なデザイナーだそうで。個性の強いゲームデザインWales,Sun,Denmark等のマップ)である上、ネット上での振る舞いにかなり癖があるそうです。そのため、インディーズデザイナーではありますが、蒸気界隈で色々な意味で話題に上がるため、このような略称が作られたそうです。

 

ここに書き留めていたものの他にも、たくさんの蒸気スラングを聞くことができ、とても満足です。

 

印象的な出来事

・Eagle Gryphon Gamesの社長と一緒に遊べた

イーグルは、蒸気の時代DXを出版している会社です。大阪マップ出版の話をもらった時に連絡を取ってから、実際に会いたいと思っていたところ、なんと蒸気コンでお会いできました!!出版の話もできたし、一緒に2回も遊べて、新作のプロトタイプも見せてもらえました。その後エッセンでも会って話すことができて、本当にここにきて会えてよかったなと思いました。

 

・私と全く同じタイプの、未プレイマップ中毒のプレイヤーに会う

蒸気においては、「あいつ(未プレイマップ)の首をとってこい。生死は問わない。」という「未プレイマップ最優先スタイル」で遊びまくっている私ですが、なんと私と同じタイプのプレイヤーがいたのです!私が書いた棋譜やマップまとめを見てめちゃくちゃ誉めてくれた上に、「俺も、未プレイマップをメモ帳に常にリストアップしておき、いつも目に入る状態にしている」という言葉を聞いた時、感動で口が開いたままになりました。蒸気と言うマニアックな世界の中の、さらにその中でも同じタイプの人間に出会う喜びは、それはまた計り知れないものなのです。「未プレイマップは手書きでチェック方式にしたよ、見て!」と送られてきた写真が上記です。左が私のチェックリスト、右が彼の。ほぼ一緒じゃん(笑)最高ですね。

 

→後日談:奇跡的に翌日飛行機が同じで、NYまでずっと話していました。そこで気が合いすぎて、さらに1ヶ月後に速攻ピッツバーグまで会いに行く約束をし、蒸気合宿を一緒に計画しました。またこの話もブログに書いている途中なので、近々公開します!!

 

 

・蒸気コンがナイトクラブに

自作マップである渋谷マップには、遊ぶ時にこの音楽をかけてくださいね、というミックス音源を付けています。それが、なんと主催者のケビンに気に入ってもらえて、3日目の最後のセッションで、サプライズでこの音楽が会場に鳴り響いたのです!!しかもクラブ系のハウスミュージックです!!もはや雰囲気はナイトクラブです。なんで!!こんなこと誰が想像できたのでしょうか。写真は、私が椅子に立って撮った隣のテーブルです。

 

流石に他のガチ蒸気プレイヤーに申し訳なさすぎて「ケビン、お願いだからこの音楽を止めてください…せめて音をもう少し小さく…」と何度も懇願したのですが、「最後のセッションは大体リラックスムードだから大丈夫。クラブ音楽はかけたことないけど(笑)」って言ってずっとかけたままでした・・・でも、たくさんの人が音楽も褒めてくれて、本当に充実感の高いセッションになりました。あれを許してくれた寛容な参加者の皆さん、ありがとう。

 

・味変の楽しみ方がさらにマニアック

そもそも、蒸気の時代の拡張マップを遊ぶことは「マップごとの違いを楽しむ」ことに他ならないと思うのです。ですが、なんとこのコンベンションには「全く同じマップをプレイ人数違い(3人・4人)で遊び、その味変を楽しみたい」という超絶ぶっ飛んだ人がいるのです!!12回しか遊べないこの蒸気コンの2セッションを、同じマップに費やす!?仰天しました。JCLという奇抜なデザイナーのウェールズというマップでしたが、やはり違ったそうです。最高にマニアックな楽しみ方で、世界にはいろいろな人がいるなぁと感じました。

 

・蒸気愛に溢れた人たちと会えた

これだけ他の方のことを色々書いていますが、私の棋譜や、蒸気本、未プレイマップの消化スピードについても、かなりの人に「狂っている。でも最高」の言葉を頂きました。でも、みんな、愛し方が違うんです。オリジナルの初版マップを集めていたり、基本マップを50回以上遊んだり、新しくリリースされたばかりのインディーズ情報をくまなくチェックし、リリース後に真っ先に試すことに熱意を出してる人もいたり。これだけの蒸気フリークが集まる場だからこそ、たくさんの人の蒸気愛をいろんな形で直接感じることができて、その雰囲気がもう最高だった。1ヶ月たった今でも、思い出しては喜びに満ち溢れています。

 

蒸気コン参加者のレポート(英語)

今年の参加者の蒸気コンレポートも(英語ですが)続々と上がっています。合わせてぜひ読んでみてください!(私がボロ負けした点数も詳細に見れますが、ご愛嬌ということで…笑)

 

未プレイ蒸気狂の社交人間、Joshua Age of Steam Con 2022 Recap | Medlife Crisis | BoardGameGeek

大好きなベスティー蒸気ガール、Ashley Age of Steam Con 2022 Recap

優しくて厳しいPacific Electricの作者、Rick Maps I played at Age of Steam Con 2022

クールでウィットの効いた、Matt Age of Steam 2022

静かに燃ゆるオハイオの男、Daniel Maps I played at Age of Steam Con 2022

ブラジルと蒸気を愛するドクター、Zezzo Games I played at Age of Steam Con 2022

(一緒に遊ぶ機会がなかった)Joe Con Report: Age of Steam Con 2022

 

いま振り返って読みましたが、それぞれの詳細なログから思い出が溢れてきて笑いながら涙が出てきました。みんな、本当に蒸気が大好きな人ばっかりで、最高に楽しかったな。

 

会場で出会えた超愉快な仲間たち、必ずまたどこかで会いましょう。

 

Special Thanks

イベントは、みんなで作るもの。愉快な参加者、蒸気大好きな人たち。一緒に遊んでくれてありがとう。

 

会場徒歩20秒のトイレ・シャワーなしキャビンに一緒に泊まったり、初参加の何にも知らない私に色々教えてくれて、参加を後押ししてくれたアシュレイ、本当にありがとう。

 

そして、主催のケビン・チャド・ケイ、素晴らしいイベントを本当にありがとう!!

また会う日まで!!!!!