Hiroのボードゲームあれこれ

アメリカをはじめとした海外のボードゲーム紹介・ショップ訪問記、ゲーム製作記をつづります。

帰国して本を作ってゲームマーケット2019秋に出展した記録と考察

ブログではご無沙汰です、hiroです。

この度日本に一時帰国し、本を3種作って、東京で開催された「ゲームマーケット2019秋」に4年ぶりに参加しました。

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 イベント出展の記録と感情を、以下章立てで振り返ります。

 

 

自己紹介・環境の変化

現在私はアメリカに住んでいて、7年前より趣味で立ち上げたサークル「ボドゲイム」のメンバーとして遠隔でゲーム制作活動を行っており、普段は「広報」の役割を中心として、日本のメンバー4人と一緒に活動しています。

 

実は、この1年は個人的に大きな環境の変化がありました。ご存知の方もおられるかと思いますが、複数の日本のボードゲーム企業で、米国イベント参加・和訳・DTP等のお手伝いをさせて頂いたのです。各社の詳細な業務内容はここでは伏せますが、これらの経験が私に大きな影響をもたらしました。イベント・商業/インディーズ作品を見る目が、大きく変わりました。

 

その企業スタッフとしてのイベント参加ではなく、完全な自分の趣味で、個人的に同人誌ZINE3種を作り、会場で販売しました。ゲームマーケットへの参加は実に4年ぶりになります。今回は、サークルメンバーとして実際にイベントに参加し、自分で作ったものを売り、出展した記録を振り返った感想を述べたいと思います。私の大好きなノウハウ的な記事ではなく、ごくごく個人的なゲムマ思い出日記になりますことをご了承ください(笑)

 

ゲムマが終わり3日が経った今でも、正と負のエモーショナルな感情が高ぶっており、ゲムマ以外の事を考えられない状態になっているので、この記事を書かせてもらいます。

 

出展者サイドの色合いが強い記事になりますが、もう当分出ることはないと思うので、個人の出展記録・考察として、そのまま公開させて頂きます。

 

販売した同人誌ZINE3種の売れ方

ボードゲームにまつわる本を、3種類作りました。

 

販売した本の概要

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本の内容はこのブログでも何度かご紹介しているので、ここでは割愛します。

GEEK MASHUP!(ニューヨークのボードゲーム会エッセイ漫画)

BOARD GAME PLACES 100(世界のボードゲームカフェ・ショップ)

BOARD GAMER'S PHRASE 1000(ボードゲーム英語フレーズメモ)

 

販売した冊数合計

昨日集計したところ、3種合わせて両日で合計1000部出ました!ブースに来て頂きご挨拶頂いたみなさん、お買い上げ頂いた皆さん、これまで応援の言葉をかけてくれた皆さん、本当にありがとうございました。制作期間は文字通り血を流した修行のような日々だったので、また別途記事にしたいなぁ。個人的な目標は達成できませんでしたが、過去最高の売り上げでした。

 

売れた時間帯

のちに記載する事前予約を行ったおかげで、待機列形成のタイミングは数えるほどしかなく、特にピークとなった時間もなかった印象でした。逆に言うと、全くお客さんが来なかった時間帯もなかったため、ほぼ休憩なしで10時〜17時の7時間販売を行いました。

 

3冊セットや単品買いの傾向

3冊セットで買ってくれる方も150名程度、英語フレーズのみ、雑誌+英語、漫画のみ、という買われ方が多く、さらには説明を聞かずノータイムで買われる方が多かったので、事前でTwitterやゲムマブログで見てくれていた方が多かったように思います。

 

 

事前予約のオペレーション

同人誌3種に関しては、事前取り置き予約を受け付けました。事前予約自体で当日や準備のオペレーションが増えることが予想されましたが「開場時の行列回避」「サークル出展者への販売手段の確保」「需要予測」のメリットがあると考え、導入に踏み切りました。

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事前予約数とツール選択理由

事前予約数はありがたいことに計700部ほど頂きました。前回のゲームは「ATND」というイベント参加管理ツールを使用して事前予約を行いましたが、対象の作品が3種あったのと、コメントやメアドなど受け付ける項目を増やしたいという理由から「Googleフォーム」機能を少しカスタマイズして使用しました。キャンセル管理が手動、メール送信などのカスタマイズが少し手間ですが、それ以外は不満なく使用できたため、今後もこちらを使用する予定です。

 

事前予約回収率

予約回収率は「79.3%」でした。前回事前予約を行ったボードゲーム「ブンプ星人」の予約回収率が50%であったことを考えると、この数字はまずまず良い数字かなと思います。しかし、無断キャンセル注意喚起をしても、ある程度は無断キャンセルされてしまうんだなぁという少し悲しい気持ちになりました。

 

事前予約の大きなメリット

記載内容を早めに定めて2ヶ月前より予約を受けた結果、応援メッセージが本の「制作中」に届く形となったこと。これが今回私にとって一番大きかった。制作中はアウトプットをあまりせず、モチベーション管理をしつつクオリティを担保していかなければならない、制作者にとってとても大切な時期。その時期にメッセージが届く、これだけの動機で私は事前予約制度を導入して良いと思えました。

 

事前予約を導入した後のオペレーション

ところで「700部」という数字は、700部+一般販売分を確実に持ち込まなければならない上、当日の運用をメンバーと共有し、徹底しなければならないということです。サークルとしてこれまでゲムマに持ち込んだ1日の最大ゲーム個数を悠に超えていました。ここが今回一番の不安であり課題でした。準備・運用として以下を実施しました。

 

1.予約数に対して十分な在庫を用意

2.サークル出展枠は17:00まで別途保管

3.予約者リストを複数人が確認できるよう2部用意、ひらがなでソート

4.運用は「名前をお聞きし、売れた種別・冊数のみをカウント」しリストを確認しない

 

結果、予約者の来店時間が分散し開場時の行列はできなかったし、4によりお話する時間やサインを書く時間が増え、自然にできる5人以上の行列も3度以内に収まりました。

 

事前予約の反省点

事前予約に関して反省点をあげるとするならば、1週前や前日にリマインドメールを送るべきでした。(忙殺されスケジューリングしていなかった)そのメールには「予約した名前(これを受付時に言ってくださいという名前)」を明確に記すのがベストアンサーだったように思います。「予約した者ですが…」「久しぶり!(名乗らない)」パターンは、驚異的な記憶力を持つ人間しか通用しないでしょう。また、フリーフォームでtwitter IDを入力できる項目があると、今後の交流に繋げやすいなと感じました。 

 

 

持ち込み数・需要予測に関して

持ち込み数

昔は「完売!」と言いたい気持ちがあったり、その発言がのちの商品展開プロモーションとなる事を信じてやまなかった私ですが、いつからか「イベントでの売り切れは完全なる機会損失」と考えるようになり、当日販売数の予測精度をあげ、売り切れが確実に出ないよう意識しました。私の場合は特に、日本に住んでおらず次の一時帰国時期が定まっていない私にとっては、この貴重な機会を逃すわけにはいきません。そのため、生産計画から慎重に進めました。結果、多めに持ち込み当日売り切れなし、残りをEngamesさんに日曜委託、手持ちで搬出、他社へ配送、という形になりました。拠点が日本にない分、委託先への事前連絡・すり合わせにリソースを結構割いた形です。

 

※この計画は、日曜の委託・搬送を協力頂いた企業ブースEngamesさんのご協力なしには進めることができなかった計画でした。感謝しています。

 

需要予測

なお、事前予約の比率と、実際の各冊子の販売数の比率は、非常に近いものになっていました。twitterで行った購買アンケートよりも、実際に購入頂く確度の高い方による、具体的な事前予約数の値は、需要予測として大きく機能することを確信しました。

 

人員構成・ブースサイズ・位置

人員構成・ブースサイズ

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人員構成は5人(写真のサークルメンバー4人+お手伝いの友人1人)で、A4プラン(販売2卓+試遊2卓)にて申し込みました。我々のサークルは6年前から「土曜参加のみ」「販売テーブルは最小の1卓」しか申し込んだことがなかったので、今回初めて2倍のスペースを取りました。4年前に私が参加した際になかったであろうブース形状のバリエーションがあり、「企業・エリア出展」が増えています。

 

 

ブース位置

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ブース位置は、Bホール入り口入ってすぐ一番端という、比較的良い場所でした。念のため床に養生テープを貼り、ゾーニングを行いました。お隣の方も優しく、一度だけ赤線をはみ出してお客さんが押し寄せた際も、優しく接してくれました。

 

企業ブースへの出展検討

企業ブースは一般ブースに比べ高価にはありますが、ホール内で配置される場所がエリア出展ブースに近くで、ひとつひとつのブースにスペースの余裕があり、カタログのサークルカットが大きく訴求力も高い上、当日搬入準備も優先的に行えます。一般ブースより明らかに待遇が良いです。

 

企業ブースに出展された、持ち込み商品数が多い知人に、企業ブース出展の動機をお聞きしたところ「この量を一般ブースに持ち込むと、バックヤードを占有してしまい迷惑だからこちらにした」とおっしゃっていました。今回私も同人誌の持ち込み冊数が多く、縦に積んだとはいえバックヤード通路を狭くしてしまったので「持ち込み商品数によって適したブースを選択する」という考えはありだと思います。とはいえ、とても大きな目玉作品がない限りあのような商品数にはならないので、今後も新作が1つであれば、基本的には一般ブース1または2卓分の参加にしようかな、というところです。

 

持ち込んだ作品の種類・ルール説明準備コスト

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持ち込んだ作品の種類

今回は、ボードゲーム6種 + 同人誌ZINE3種の計9種、過去最高です。一般ブースの机2連にゲームと本を並べるには、キャパシティがぎりぎり足りないかなといったところ。できればゲームも本もサンプルを並べたかったので、実際にはこのサイズでゲームor本が3,4種が妥当かなと思います。試遊卓でゲーム回す分には、試遊卓側に誘導できるため、ゲームは6種でもまぁ問題ないかなと思います。

 

ルール説明準備コスト

これらのゲームすべてのルールを把握するのはサークルメンバーでないと厳しいので、お手伝いしてもらった友人へは「売り子のみ」をお願いしました。

 

ちなみに、ギリギリに仕上がった新作ボードゲームの「イロトリトリ」は、東京にいるメンバーがメインで製作を進めてもらい、私はテストプレイ・校正のみで入りました。ルールが簡単だったのでルール説明も当日できましたが、ボリュームのあるゲームであれば、別途ゲムマ前にルール説明の準備をする時間が必要だと思います。

 

接客・交流・サイン

接客については、お知り合いとの交流を優先し、新規呼び込み系の接客をしませんでした。しませんでしたというか、やる余裕がありませんでした。これは、限られた帰国期間に目一杯予定を詰め込み、体調管理ができていなかった結果とも言えます。以前「接客マニュアル」で書いたピーキーで積極的な会話は1つ2つしか実施できなかったので、今後の課題です。

 

お客さんとの交流 

お知り合いとの交流は本当に楽しくて、つい先日Twitterでも個人的な100人ぐらいとの思い出を投稿しました。やはりイベントに自分で出るということの醍醐味はここでもあります。海外に住んでいると、特にゲーム会などでも交流できないため、ここで得たエネルギーは本当に大きいです。ブースにきてくれた皆さん、たくさんエネルギーをもらえました、重ね重ね、本当にありがとうございました。

 

 

サイン(メリケンサック+自作消しゴムはんこ

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サインに関しては、販売計画の打ち合わせの際サークルメンバーから「この販売量、サイン書く時間なんか絶対ないっすよ。その今つけてるメリケンサックに、hiroってハンコ作ってくっつけて殴っていったらいいんじゃないっすか??ww」という謎の発言を受け、面白かったので本当にメリケンハンコを作りました。消しゴムを彫刻刀で掘り、金のスタンプ台を用意して、殴るような形でメリケンハンコを押してサインに代えました。喜んでもらえてよかったです。

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(ピピタパンさん、お写真ありがとう!)

 

買ってもらえなかった悔しさ・本質を伝える広報の手薄さ

客観的に見て数は過去最高に売れたので(サクセスストーリーっぽく書こうか?)と思ったのですが、ゲムマのようなインディーズイベントに趣味で出る上では「自分のやりたかったことができたのか?」の振り返りが重要だと思ってるので、やっぱりそこは自分の気持ちに正直になって、この話をしようと思います。

 

買ってもらえなかった悔しさ

この時期はゲムマ後の風物詩として、購入した作品を投稿する「戦利品報告」が Twitterに溢れます。それを眺めると、以前うちのサークルのボードゲームは買ってくれていたが、今回の本がなかったりする。1種類以外はいらないかなって言われたことを思い出す。他のボードゲーム漫画は買われているけど、私のがなかったり。「漫画は俺はいいかな」と直接言われたり。私、なんか、まだまだだなぁと思いました。お客さん全員を満足させることは不可能で、感想を投稿したりして応援してくれている方を大切にしたいのと思うのです。が、割と広くターゲットを取った本なだけに、これだけ母数もあるとプラスもマイナスも一気に入ってきます。対面で販売したので、余計にです。

 

個人的に立てていた売り上げ目標も達成できなかった。すごく悔しい。

 

私自身、割とコミュニケーションが得意そうと言われ、メンタルが強そうと言われます。概ねあってますし、勢いでネガティブな感情を打ち消す方法も知っています。でも、そういった性格であっても、上記のことは、単純に悔しいんです。

 

本質を伝える広報の手薄さ

今回は、コンテンツに自信がある状態で、私らしいものを作ったつもりなんです。絶対他にないもの。でも、その立ち位置のユニークさ(例えば、ニューヨークのゲーム会漫画です!とかゲームカフェ100個載ってます!とか)に安心していた。けど、なんというか、自分の作品をもっと愛して「ここがいいんです!」って部分を惜しみなく伝えられてなかった。長年チームで作ったものに対する広報をしてきた経験があったけれど、逆に完全に自分のものとなると、どうしていいかわからなくなった。結果、twitterでは製作記だけを延々投稿していく形になってしまったし、本質が伝えられてなかったことを後悔している。製作記って結構ブラックボックスで、漫画なんか特にストーリーなんだから、中身なんか全然そんなんじゃ見えない。もっともっと、感情的に伝えるべきだった。漫画のケニーだって、今見たら説明に載ってない。ゲームカフェも、ネットから取った写真のガイド本だと思ってる人がいた。英語も、ここに至るまでの経緯なんてのをすっとばして、量だけでなぜか推していた。全体的に、本への情熱が足りなかった。私が一番誰よりも見つめてあげなければならないものを、広報経験があるにも関わらずできなかった。販売ブースに立ってから、そのことにゆっくり気づいていった。当日の接客でリカバーする元気も出ないまま、ただ、心の安定が得られる交流に、心の比重を置いた。この自分の逃げみたいな姿勢も、悔しかった。

 

今はゲムマ後まだ3日しか経っていなくて、正にも負にもとてもエモーショナルになっていて、人に会えた嬉しさ方向の感情と、こういった悔しさの感情が両方一緒に来ています。感謝の気持ちはあれど、やっぱり、私は自分で作ったものを、もっとたくさんの人に届けて、共感してもらいたい。制作者として、広報として、どっちも全部ちゃんとやりたい。だから全然満足できていないんだと思います。

 

はじめての本作りで、3種類同時に作って自分の手で売ることにした。一時帰国の間に、日本で販売・委託をすべて手配して無事にアメリカに帰る。この目標がそもそも無茶だと言えばそうだけど、どうにかやりきれると不思議と思えた。でもやっぱり実際にやってみると細部のコントロールが大変で、上記みたいな、手が回らない部分に甘さが増えていった。そんな結果だったように思います。

 

さいごに

定量的なデータを紹介していくつもりが、感情論満載の記事になってしまいました…。でも、こういった色々な感情が生まれることを含めて、やっぱり自分でイベントに参加することってすごく重要だと思えたし、ゲームマーケットってやっぱりいつ出てもいろんなことを感じられるなぁ、と思いました。またいつか、必ず今回の反省を受け、もっともっと成長して、たくさんの人に会いに、自分の作品を手にとってもらいに行きたいです。

  

ゲムマ記録といいつつ、まとまりのない文章になってしまいすみません。少し休んで、また何か、新しいことを始められたらなと思います。ひとまず、同人誌編集が落ち着いたらやってみたかった曲作りに挑戦したいと思います。

 

購入頂いた方へ

そういえば、感想を募集しています。本の後ろにQRコードをつけていたのですが、やっぱりハードルが少し高かったかな。チェックボックスで選択するだけでも良いので、ぜひ感想をお聞かせください。制作の励みになります。

 今後の本の取り扱いについて

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以下取引先にて、委託販売を行っております(敬省略)

 

東京→コロコロ堂★
大阪→賽翁lab!DDTデザート*スプーン
富山→Engames★
全国→イエサブ★秋葉原BEEP★

 

現在増刷の予定はなく、手元にも数冊しか残さず日本で委託をお願いしてアメリカに帰ってきた状態です。気になる方は、上記店舗や、★マークのある通販にてお買い求め頂けると嬉しいです。

 

また、12/8(日)に大阪・中崎町で開催される「盤祭2nd」では、株式会社アソビション様ブースにて本3種の委託販売を行って頂く予定です!

生まれ故郷である大阪で、イベント販売されて嬉しいです。第2部:販売エリア32,33株式会社アソビション様ブースまで、ぜひお越しください。

 

今日はサンクスギビングです。やっと、ひと段落できた気がします。

しばらくゆっくりしようと思います。 Have a nice Holiday!