Hiroのボードゲームあれこれ

アメリカをはじめとした海外のボードゲーム紹介・ショップ訪問記、ゲーム製作記をつづります。

サシゲー会で遊んだ2人用ボードゲーム紹介

ざきやまさんと共催で、2人用ゲームをメインで1日中遊びまくる「サシゲー会」を開催しました!

 

「ゲルハルツのゲームを大量に入荷しました!」というリトルケイブ新宿店のポストを見て、ざきやまさんがゲルハルツ崩し会をやりたいなぁと呟いていました。それを見たアブストラクト好きの私が、じゃあ色んな人呼んで二人ゲーム会やりましょう!という流れで、会を共催するに至りました。

 

いつもどおり感想をひとつひとつX(ツイッター)で投稿していこうと思ったのですが、文字制限・プラットフォームの仕様・タイミングの都合上、9割は適当なことしか言ってないんですよね(笑)あと、最近は大量にゲームを遊べているので、単純に多すぎてやりきれない!

 

ゲルハルツ作品は短時間ゲームにも関わらず、思った以上に楽しい。これはTwitterだけでメモしとくのはもったいなと。そうして、再プレイのためのルールのメモもかねて詳しく備忘録を書いておこうと感じた次第です。そのため、ゲルハルツ以外のゲームはルール記載が比較的適当になっていることをご承知くださいませ。

 

目次

 

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会場は初来店したリトルケイブ新宿店!mor!さんのゲームがたくさん陳列されている様子。

 

Paletto

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まずは手始めに目についたゲルハルツを遊んでいくことにします。「パレット」は、球を順に取っていくゲームです。球の4辺のうち2辺が空いている球のみが獲得できます。必然と端からどんどん取っていくことになりますが、離れ小島を作ることはできません。同色の球は同時に獲得できるため、ラウンド数は変則的になります。相手に取られたくない場所の手前の球は取りたくないというジレンマが面白いゲームです。この時点で「うわ、ゲルハルツおもしろっ。こういうのを終日ポンポン遊べるの、最高じゃないか!?」と気持ちが昂ったのを覚えています。

Fendo

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ゲルハルツの2作目「フェンドー」です。自分のポーン、または、区切り棒を盤面に配置していき、全てのコマを使い切るまで配置は続きます。ゲーム終了時、自分のコマがいるマス数の合計を競います。コリドールのような見た目で、細々と区切り、相手と陣地をせめぎ合うのが面白いゲームです。ルールを少し間違えてプレイしていたようで、「コマがあり、かつ完成した区画にはもうたプレイヤーのコマを差し込めない」のが正しいルールのようです。ルール、要確認。

 

Peak

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こちらの「ピーク」も、ゲルハルツ作品です。1階建の白青コマが盤面にギッシリ並んでいるところからゲーム開始。ちょうど2個のコマのみ飛び越えることができます。1階建のマスなら2マス、2階建のマスなら1マスだけ、というわけです。空マスであれば何マスでも飛び越えられます。コマは移動先にスタックすることになりますが、1階建のコマのみ動かしていくことができるので、動かせるコマが限られてきます。写真はゲーム終了時のもので、一番上のコマの所有者が、建物の高さ分の得点をそれぞれ獲得し、合計を競います(1階建はカウントしません)。3階建のスタックを作ると3コマ分となり(飛び越え不可の)壁となることで、どの方向から相手を来れなくさせるか?を考えながら、自分の得点を最大化していく動きが面白いです。

 

WaldMeister

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ゲルハルツ4作目の「ワルドマイスター」は、3種の高さ、3種の色、計9種のスティックを使ったゲームです。プレイヤーA:高さが同じスティックを短・中・長それぞれでより多く繋げる、プレイヤーB:色が同じスティックを薄緑・緑・濃緑それぞれでより多く繋げることを目標にする非対称ゲームです。それぞれ3種で得点しますが、一番大きな塊のみで得点化されます。手番では、場のスティック1本を引き抜いて一直線上のどこかに移動させ、元のスティックがあった場所に好きなスティックを刺します。お互いの目標が異なっているため、相手の得にならないようにこのスティックをこっちに退けておいて…と考えます。樹木が生えているようなビジュアルも美しく、ゲルハルツ作品の中では一番好きかもしれません。

Triangoli

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次のゲルハルツ作品5つ目は「トライアンゴリ」。自分の手番で、移動→配置→置換というフェーズを踏みます移動:自分のプレイヤーコマを6方向いずれかに直線で移動させます。配置:移動先の交点に接する三角形の空欄1つに移動マス分の小コマを配置します。置換:交点に接する他の三角形から、相手の小コマを移動マス分自ゴマで置換します。ゲーム終了時、三角形4つで構成されるエリア(大三角形)6つそれぞれで小コマのエリアマジョリティを行い、負けたプレイヤーはそのエリアの小コマを全て除外。これを6エリア行い、盤面全体で小コマの多いプレイヤーの勝ちとなります。先手のあとを後手がついていき掠め取っていく「ストーカー戦略」なるものが編み出されました。

 

Laniakea

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ゲルハルツ6作品目の「ラニアケア」。珍しいウミガメのアートが書いてあります。1ラウンドで2ディスク、または1ディスクを2回動かすことができ、2アクション分行った後にタイルをスライドします。そうして、8個中5個のディスクを対岸まで運んだ方の勝利です。3段まで積むことができ、積んだ段数分前進できます。ウミガメはお邪魔ブロック扱いで、1段ディスクではジャンプできず、2段・3段のディスクのみジャンプできます。タイルをスライドする動きで、自分を意図する場所に移動させたり、端にある相手のディスクを排除してしまうことができます。

 

Tintas

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カラフルなゲルハルツ7作品目は「ティンタス」。7個×7色のディスクがギッシリ盤面に埋まった状態でゲーム開始。共通のポーンから、一直線で動かせる場所にあるディスクを獲得できます。獲得したディスクの位置からさらに一直線上かつ同じ色であれば、連続でディスクを獲得できることが特徴です。1色7個全てのディスクを獲得するか、4個以上獲得した色が4色以上あれば勝利です。勝利の道のりが2種ある点で、相手に何を取られたくないかを見ながら進めるゲームです。

 

Nego

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こちらは国産のネゴ。4マスのボスネコ、長いネコ、などマス目の異なるネコを1個ずつ配置していき、囲ったエリアが自陣地となります。ゲーム終了時、ネコのマス数が多い方が勝利。各ネコの配置ルールがやや複雑なのがたまにきずですが、コンポーネントの品質が良く、猫たちがギッシリ詰まっていく様子にファンが多そうな作品です。

Peak

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なんとボーナンザの二人用ゲーム。交渉ゲームは苦手で、名作と言われる「ボーナンザ」はあまり積極的に遊ぶゲームではないのですが、こちらはサイレントな交渉システムが導入されていてとても良かったです。私のように、ボーナンザが苦手な人にも遊んでほしいゲームです。

Mixtour

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ゲルハルツで遊んでいない作品が残っているのを発見し、駆け込みでプレイ。8作品目のこちらは「ミクストゥール」です。自分のコマを1個ずつ配置していきますが、そのコマに対して階数分のコマを周りから呼び込むことができます。2階建のコマには、2マス離れた場所のコマを(何階建てであっても)呼び込んで上に積むことができます。動かす側の階数ではないことに注意です。こうして、自コマがてっぺんにある5階建コマのスタックを先に作った方が勝ちとなります。これはとても面白い!ゲルハルツのベスト5入りです。

 

Diect

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こちら、森くんが持参してくれた国産ゲームの「Diect」です。ゲムマ2023秋で偶然発見し購入したとのこと。個人のコマはなく、一番背の高い共通コマ1つのみを5マスだけ動かし、ディスクを獲得していきます。ゲーム終了時、ディスク数の多い方が勝ちというシンプルなものですが、濃い茶色はお邪魔ブロック。このお邪魔機能がとてもうまく機能しています。一度の右折・左折のみ(しかもブロックのある場所のみ)しか行えないので、移動できる範囲が限られています。そこで、ディスクを1枚支払い、お邪魔ブロックを動かすことで進路を変えられるのです。これにより動きの可能性が飛躍的に広がります。しかし使用するディスクも得点なので、これを使ってまで取りに行くか?のジレンマが発生します。国産のアブストラクトですが、とても完成度が高いと思います。

 

Hakenschlagen

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9作品目は、5人まで遊べる多人数用ゲルハルツ作品です。一番左の列からスタートし、一番右列まで行って、さらに一番左の列まで最も早く戻ってきた人の勝利です。袋から球を3個ひき、その色によりウサギがジャンプできる場所が決まります。直線上であれば、最も近いその色までジャンプできるため、ダイナミックに動ける道を見つけると簡単に逆転します。お邪魔のキツネや、ジャンプ飛距離を加速させるモグラなど(踏みつけられてジャンプ台になる可哀想な役目)、フレーバーとマッチしているのもキュートです。

 

Prime Number Speed / 素数スピード 

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「hiroさん理系なんで得意そうだから持ってきました」と遊ばせてもらった素数スピード。場に出された数字を因数分解し、自分の前にある5枚の素数を因数としてどんどんテンポ良く出していきます。二人ゲームですが、因数でないカードを出した場合にお手つきが必要で、それも判断する必要があるため、マスターを一人用意し、お題表からお手つき判定をしてもらうとスピーディに進むのでオススメです。遊んでいたアブストラクトとは少し方向性の違う脳の場所を使いました。因数分解が得意だったのを思い出させてくれた良いゲームです。レベル3ぐらいが楽しく遊べるギリギリのラインかもしれません。レベル4は難しすぎて無言になります。

横柄歩道

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もちゴマを横断させる二人用ゲーム「横柄歩道」。道を譲らない横柄な老人がいるのでこの名前なのかな。出オチ感が否めないゲームですが、コマによる動きの違いをフレーバーごと楽しむためのゲームです。

 

アマビエ

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疫病の「アマビエ」!記憶しておき1枚確認・交換。自分のカードの3枚の得点合計を最大化させます。横で見ていた友人に「同じカードさっきも見てましたよ(笑)」と言われ、自分の記憶力が死んでいることを確認できました。

 

Spirits of the Forest

f:id:iroppu:20240114090626j:imageご飯が運ばれてきたので、箸休めとして同じテーブルの4人で遊ぶ事になった、唯一のマルチプレイゲーム。Kickstarterの豪華版です。二人用ゲームではないので詳細は割愛しますが、シンプルな良いゲームです。二人ベストという事で持参頂いたので、二人でも遊んでみたいところ。

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小休憩に大葉とシラスのオムライス!ほぼベジタリアンなので、肉がメインでないオムライスやパスタのあるお店はありがたいです。

Schnipp & Weg

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お店にあるゲルハルツ作品のリストを作っていたのですが、このゲームだけが見当たらず、帰宅1時間前ほどにやっと見つかり、最後に遊べたのがこちらの10作品目「シュニップ&ウェグ」です。こちらはアブストラクトではなく、まさかのアクションゲーム。自分のコマを弾いて、相手のコマを盤外へ落とします。他のゲルハルツの方が好みですが、疲れた脳にはこれくらいがちょうど良いのかもしれません。ボードを名探偵コナンの蝶ネクタイに見立て、真似をして「おい、おっさん」と毛利小五郎を呼んでみましたが、同卓者の「コナンが毛利小五郎のフリをしてるから、自分がおっさんでは…?」と冷静に突っ込まれ、この芸はお蔵入りとなりました。

Go With The Floe

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たっくんさん、mariさんがもうすぐ帰られるということで席をそちらに移動して談笑。なんと、お呼びしたのにまだ1ゲームも遊んでいなかったのです。「せっかくなので何か遊びましょう」ということでこちらをプレイ。シロクマかアザラシどちらかの陣営を選び2匹受け取ります。シロクマはアザラシを捕まえること、アザラシは逃げ切ることを目標とした非対称ゲームです。

 

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たっくんさんとmariさんは大のバックギャモン好きで、今日もさまざまなバックギャモンを持参してくれていました。お店のゲーム棚にないにも関わらず、なぜか4つもバックギャモンがあります。お話して、バックギャモンへの熱意を感じられて楽しいひとときでした。

 

Upper Hand

f:id:iroppu:20240114090614j:image手番に一つずつ球を積み上げていき、最初に球を使い切ったプレイヤーが勝ち、というゲーム「アッパーハンド」です。一つずつ置くのに、何故ターン数(消費する球の数)が違うのかというと、自動で置かれる球があるからです。隣接する2x2の4個を置いた時点で、マジョリティが決まっていれば、自動で2階の球が置かれます。黒2・白2の場合、自動で球は乗らず、双方のプレイヤーが手番を使って置くことができます。アソコは放っておいてもマジョリティを取れそうだし、その場所は後で良いか…と放置していると、あっという間に展開が変わる、ソリッドなゲームです。

Akron

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先ほどのゲームとほぼ同じコンポーネントを使って異なるゲームを!こちらはツイクストのような、1辺から1辺を接続するタイプのゲームです。ユニークなのは、2段目も3段目も使用して良いところ。真上から見た時に繋がっていればいいので、上にも載せることで展開がガラッと変わります。

Aggression

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紙とペンだけで遊べる「アグレッション」!30(本来は100)の数字を使ってエリアと戦闘力を戦闘力を書き込んでいきます。隣接全ての数字を足し合わせて一つずつ倒していき、残りのエリア数が多い方の勝ちとなります。エリアを自由な形で書いたり、数字もまちまちと、こんなにも自由度が高いのに、ゲームとして成立していて感心しました。

Alliance Correspondence: Battle Swayers / 決戦前の書状

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ゲムマ2023秋で発売された、テープルゲームズの2人専用の一作です。デザイナーはSaashiさん。関ヶ原の戦いを模した紙ペンゲームです。ラウンド開始時にドラフトで順に3個のダイスを獲得し、そのダイス目を使用し、各将軍を構成する数字を消していきます。構成する全ての数字を塗りつぶすと、その将軍が出陣。3エリアのマジョリティで得点を競います。特徴的なのは、将軍が裏切り、相手の得点になり得るところです。プレイヤー用紙の上部の秘密裏スペースに将軍名と数字を書いておき、相手と数字を競うことで裏切りを起こすことができます。ダイス目を出陣に使うか、はたまた裏切りに使うかのバランスが難しいゲームです。

 

おわりに

ゲルハルツ作品を中心に、二人用ゲームをたくさん遊べた充実の1日でした。テーマしばりの会がとても好きなので、これからも積極的に参加・主催を行いたいところです。