ブログではお久しぶりです。hiroです。
3日間、少し学校をおやすみして、ボストンでのイベント「PAX East 2019」に参加してきました!写真は、HTMLタグが出まくっているサイネージです(笑)この抜け感w
実は、1日目のしょっぱなからキャリアの通信トラブルに見舞われ、合流するはずの方と連絡がつかなくなったり、愛用しているiPad一式が入ったバッグを無くして途方にくれたりという大事件があったのですが、無事iPadも見つかって確保でき、合流もでき、なんとか3日間のボストン旅を終えました。「旅ってだいたい何かトラブルがおきるんだよなー。結果、なんとかしなきゃいけないから、なんとかなるんだけど。」と思いながら、今は自宅でほっとしています…(笑)
少し落ち着いたので、イベントのレポートをアップしたいと思います!
PAX EASTの概要
今年のPAX Eastは、2019年3月28日〜31日の4日間、アメリカのもっとも東に位置するマサチューセッツ州ボストンで開催されました。
このイベントは、アナログゲームがメインのイベントPAX UnpluggedやGen Conとは異なり、デジタルゲーム企業の多いイベントです。
出展企業一覧はこちらですが、アナログとデジタルの企業名が混在しているため、自分で事前にピックアップしなければなりません。
http://east.paxsite.com/news/article/pax-east-exhibitor-list
チケットは事前にオンラインから購入し、当日Will Call窓口で受け取ります。日によって価格が異なるチケットで、金曜・土曜が人気ですぐ売り切れてしまいます。
その他、会場ではFree WiFiサービス、ベンチ、大きなフードコートがあり(平日だったことも幸いして)EXPOホール以外でも快適に過ごすことができました。
今回の記事では、印象に残ったアナログゲームのブース、今まで知らなかった販売店の紹介を行いたいと思います。
itten × Jordan Draper Games
日本のアナログゲーム界から唯一?出展しているittenさんブース。PAX Unpluggedと同じく、Jordan氏と共同ブースでの出展のようでした。写真のゲームは、試遊卓にあったJordan氏の新作「IT'S IN THE BAG」です。
美しいプロダクトが並んでいるクールな販売コーナー。たこのような緑の生物は、Jordanのマスコットキャラのぬいぐるみのようです(笑)Tokyo Seriesのクールなデザインのふろしきなども販売されていました。
ittenさんのプロダクトには英語版・日本語版のルールブックが入っているので、いつものゲーム会にもそのまま持って行って遊べるのでありがたい。。ittenオビさんにどんな客層の方が買われてるかなどのお話を聞かせてもらい、ブースを後にしました。
Kickstarter
イベントホールではなく、1つの会議室をまるまる貸し切り、こだわりのインテリアや暗めの雰囲気で他を圧倒しているキックスターターのゾーン。
前述のTOKYOシリーズを制作したJordan氏がデモしていました。4つのゾーンで行われ、1〜2時間単位でプログラムが決まっているようでした。
アナログゲーム2卓の他、デジタルゲームのデモブースや、トークセッションコーナーなどが用意されていました。ROOTは相変わらず大人気。この部屋の入り口もROOTのキャラのデザインでした。
今回一番驚いたこと。それは、この部屋で、先日和訳したばかりの「Mechanica」のプロト(ほぼ製品版)と、そのデザイナーMaxにお会いすることができたことです。
実際にプレイすることもできました。3種類のお掃除ロボット君をベルトコンベアに乗せ、自分の工場で左から右に運びます。その間にパズルのピースをはめるのですが、このピースは工場のアップグレードパーツなのです。 タイルは9種類あり、一度に3個キープしておけるタイル、複製機、工場の工程をスキップさせ出荷まで持っていけるタイル、などのタイルです。これら部品を購入し、うまくロボットを出荷して売って稼いで、また工場に投資して、最後に一番お金を持っていた人の勝ち。
(※Resonym公式HPから引用)
ルール読んだだけでわからなかったことは「ちょこちょこ3色のお掃除ロボットを動かす感覚が楽しい」です。また、デザイナーが意図したかどうかは不明ですが「人間が働くロボットを作るアナログゲーム」なのに、あくせく動かされてるのは、実は機械ではなくプレイヤーである我々という…。この感じたまんない。
和訳はこちら。
キックの「Mechanica」の簡易和訳を作成しました!1-4人用、45-75分、ウェイト3.2(本当!?)!工場を改善してロボット作る、ギミックが愉快なゲーム!テキストはWebページから、キャプ画像多め。ユイさんに校正協力頂きました、感謝です〜!https://t.co/yttVm6qPKt
— ボドゲイムhiro@ゲムマ春(土) (@bodogeimu) 2019年2月28日
DLはコメント頂けると嬉しいです♡ pic.twitter.com/Un0nKTFpg4
ルールを読むだけでピンとくるスキルは持ち合わせてないので、実際遊んでみないとダメだなぁと再認識しました。とはいえ、キックスターターだと販売前確定なので遊べないんですけどね。ルールから遊んでる様子を精度よく想像できるセンスを身に付けたいです。
Battleground Games & Hobbies
品揃えの豊富な、ボードゲームの販売店です。このお店の前を通るまで全然知らなかったのですが、マサチューセッツ州に3店存在するボードゲームショップのようです。地元の企業を知ることができるのは、たくさんの企業が一同に会するイベントの醍醐味ですね。
WEBサイトはこちら。
https://www.battlegroundgames.com/
Keymaster Games
去年のGen Conで初めて知ったKey Master Gamesが、今回も出展していました。 CaperとSpace Parkの美しいアートワーク、黒で締められたブースがカッコ良いです。
WEBサイトはこちら。
Rock Manor Games
こちらの会社も会場で初めて知りました。試遊エリアを大きく取り、ゲーム体験を優先しているような印象でした。ゲームのラインナップは以下。
WEBサイトはこちら。
Coolstuffinc.com
オンラインショップでも度々お世話になっている、Coolstuffinc。今回も広いエリアで出展されていました。イベントでは毎回見かけるおなじみのショップさんです。
実店舗もアメリカに7店舗あるようです。どこかの店舗に行ってみたいなぁ。
WEBサイトはこちら。
Renegade Game Studios
ディスプレイ方法も圧巻。製造力のあるメーカーは、数を生かした展示をしてくるぜ…!
Gamewright
Gamewrightは、ピクテル海外版「Imagine」を扱って頂いているメーカーです。アメリカのイベント(NY Toy Fair、Gen Conなど)にも積極的に出展している印象です。
PAX Unpluggedでもそうだったのですが、Gamewrightのブースにも関わらず、販売店であるEureka! Puzzlesの看板がメインです。協力されて出展されているのでしょうかね。
FREEPLAY
ゲームライブラリが1000種以上ある、フリープレイコーナー。レンタルする場合は、レンタルコーナーからゲームを選び、受付に持っていきます。
どうですかこの量。PAX Unpluggedもそうだったんですが、こんな量のゲームがあれば、終日ずっとここに居れるレベルです。。
FIRST LOOK
さて、最後はお目当てのFIRST LOOKコーナーです。このコーナーでは、まだ未発売のゲームをいち早く遊ぶことができます。平日木曜に参加したので、6時までは結構空いていました。18時にメインのEXPOが閉まるため、そのお客さんたちがこのコーナーやフリープレイに流れてきている印象でした。ここで、3種の新作ゲームを遊べました。
まずは、透明感のある色とりどりのダイスに惹かれた「Noctiluca」をプレイ。プレイヤーはポーンを指定分(2人プレイだと6ポーンずつ)取ります。このポーンを盤面に置くと、その場所に接している2列のうち1列から「数字1種のダイスを全て」獲得できます。例えば、写真の一番下にポーンを今置いて「1」と宣言し縦列を選択すると、奥に向かって存在する縦1列すべての「1」のダイス4個(紫1・オレンジ1・青2)がすべて獲得できます。獲得したダイスは、自分の手元にあるカードの上に、一致した色の分だけ配置できます。配置できなかったダイス軍から1個、次のプレイヤーにあげることになってしまうので、うまくカードに置けるようなダイスを獲得できる列を見つける必要があります。
このようにして順にダイスを獲得していき、12ターン×2ラウンド終了時に得点が高い方が勝ち、というわかりやすいゲームです。カードの得点も獲得できますが、色が3色あり、それぞれでマジョリティを取った人がさらに残りの色チップを全て獲得するので、マジョリティもとる必要があります。
続いて「Lanterns Dice」を遊びました。こちらは「Lanterns」の紙ペン版なのですが、書き込み用シートの上になんとタイルを直接置いていくのです。「Lanterns」とはゲーム性がガラッと変わっていましたが、獲得したダイスの色を塗りつぶしていくシンプルなゲームで、楽しく遊べました。
最後に「Hex Roller」です。これも紙ペンゲームです。ダイス8個を誰が1人が振り、2種の数字を選択して紙に書き込みます。ただ、数字は同じ数字に隣接しなければいけないというルールです。シートが2種類あり、6ラウンド制と7ラウンド制が選べます。ゲーム中3回まで、3種の特殊能力(数字を1つ多く書ける、2の数字をどこにでも書ける、3種目の数字を選べる)をそれぞれ1回ずつ使えます。
最後の得点計算時、同じ色のエリアが全部埋まっていれば、そこのマジョリティをとってる数字の点数が入ります。オレンジのエリアだけ広いので2倍得点。その他、選んだ数字を順に書いていく場所があるのですが、それが3〜8で連番になっていれば8点、など細かいボーナスがあります。
これもシンプルながらなかなか面白かったです。ブルゴーニュダイスをもっとシンプルにした感じですかね。
遊びたかったPIPELINEもありましたが、疲労やゲームカフェに行く予定があり、時間もかかりそうだから断念。
イベントの感想
各ブースでの感想は章別の感想をご覧いただくとして、実際現地に行って個人的に感じたことの総括を書きます。
・アナログゲームの割合は少ない
PAXはエリアや国に寄って名称が異なり、EAST、WEST、SOUTH、AUS、DEV、Unpluggedという風なタイトルがつけられています。UnpluggedはPAXの中で唯一ボードゲームに特化したイベントでしたが、今回のPAX EASTでは体感的に「ボードゲームは1割」だったかなという印象です。その分、普段あまり接することのないデジタルゲームのブースなども見ることができるメリットもあります。
・地元のゲームカフェやショップが数多く出展
地元のコンベンションらしいというか、このイベントに来て初めて知ることのできたお店が多かったため、収穫になりました。大きなブースを構えるための什器搬入なども、空路で搬入や手配するのは厳しそうだし、車で運び込んだりするのは合理的だよなぁと思いました。
・Gen Conに比べ快適
Gen Conは本当に巨大なボードゲームイベントで、おそらくアメリカで一番大きなボードゲームコンベンションだと思います。
去年のGen Conレポはこちらから
巨大イベントであるGen Conに比べ、平日であれば比較的空いているし、快適にフリープレイなどをすることができました。チケットの価格も半額ぐらいのため、Gen Conまで気負わずとも、近くに住んでいれば行って損をしないイベントだなと思います。
・新作発表は少なめ
ここに合わせて新作を用意してくるパブリッシャーは少ない印象でした。Unpluggedでプレオーダーをよく見かけましたが、それも特にない感じです。
ただ、すでに製品版が刷られている作品を販売前に遊ぶことのできる「FIRST LOOK」コーナーがそこそこ充実していたので、アメリカの各企業のTwitterなどを見ていれば、そこに新作が少し出ているのを事前に知ることはできたかな、と思いました。
・Bostonは最高
これはイベントの感想というよりイベントにまつわる周辺観光の余談の話になってしまいますが(笑)個人的には、周りに何もないイベントより、一度のフライトで周辺観光もできることをそこそこ重要視しているので、周辺環境についても記載します。
学生の街であるボストンには、MIT・ハーバードをはじめとする名門大学が数多くあります。そこには文化があり、街もとても落ち着いている印象です。景観に関しても、レンガ作りの暖かい建物が多く並び、アメリカの街というよりはヨーロッパの街の印象に近いのです。
また、別途ボードゲームショップ巡りの記事を書こうと思っているのですが、特にボードゲームカフェ「Knight Moves Cafe」が群を抜いて個性的で素敵でした。PAX Eastと抱き合わせて、このカフェに行くだけでもかなりおすすめです。
というわけで、長くなりましたがいかがだったでしょうか。ニューヨークから1時間ちょっとのフライトでアクセスできる、PAX East 2019ボストンのイベント参加レポでした。地元感の強いアメリカのイベント、少しでも参考になれば幸いです。
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PAX Unpluggedのイベントレポはこちら。