こんにちは!闇マップ研究家のhiroです!
さまざまなテーマで蒸気の時代の拡張マップを紹介するシリーズです。
今回のテーマは「闇マップ」!
蒸気の時代はとても面白いゲームですが、その中でも「闇マップ」と呼ばれているマップが存在します。(「闇」と言っても、面白くなかった、という意味では決してなく、ここでは「つらい、けれどそこが楽しい」という良い意味で使用しています。)
そもそも、蒸気の時代の拡張マップの中には、とても攻撃的なアクションが用意されていたり、破産するよう設計されていたりと、とんでもないルールの拡張マップが存在するのです。「収入を徐々にあげていく」事を前提にしたルールのはずが、意図的に通常よりも収入が上げにくくなったマップなども多数存在します。
これらの闇のルールにより、何も商品が運べなくなったり、せっかく計画していた輸送が台無しになったり…そういったことが起こりやすいのが「闇マップ」だと私の中で位置付けしています。攻略するのが難しい反面、上級者向けの痺れるルールだなと思うことが度々あります。しかし、蒸気をはじめて遊ぶ人にこれらのマップを出すのは、かなり勇気が必要です。笑
2022年7月は闇マップ強化月間だったこともあり、そんな良い意味でも悪い意味でもヤバめな闇マップをたくさん遊んだ1ヶ月になりました。
それでは、今まで遊んだ140マップの中から、(これは闇マップでは…?)というマップを10個セレクトし、「闇ポイント」と共に紹介します!!!
※なお、ソロマップは通常の勝利条件と異なるためトリッキーなルールが多く「闇」と認定しがちなため、今回の選定からは除外しました。
- 1. Venezuela(ベネズエラ)
- 2. Madagascar(マダガスカル)
- 3. Reversteam(リバースチーム)
- 4. Detroit Bankruptcy(デトロイト財政破綻)
- 5. Atlantis(アトランティス)
- 6. Cyclades(キクラデス諸島)
- 7. Slovakia(スロバキア)
- 8. Montréal Métro(モントリオール・メトロ)
- 9. Human Body(人体)
- 10. 20,000 Rails Under the Sea(海底2万マイル)
- 最後に
1. Venezuela(ベネズエラ)
闇ポイント:初期商品なし、敷設金額高すぎ、黄色は特定アクションを選択しないと運べない
闇ルール詰め合わせの闇マップ王者、ベネズエラマップ!まず第1に、初期商品がマップ上に1個もない。そんなマップ、今まであっただろうか?開始して2ラウンド目からが本番となる。第2に、線路の敷設金額がラウンドごとに1ドルずつインフレーションし、8ラウンド目にはなんと1枚あたり8ドルになる。救済措置として、置き換え線路は2ドル統一となっているため、相対的に安価で、その置き換え線路の取り合いになる。第3に、優先輸送アクションが従来の能力+「マネーロンダリング」となっており、このアクションを選ばないと黄色キューブは一切運べない。このアクションをとるために高額で借金をしたり、そもそもキューブが少ないため何もしないターンが多発、という闇さである。さらには、借金も上限なしで、16株式以上の借入は、即時に収入トラックを下げる。これでもか、といういやらしいルールを詰め込んだ、堂々の闇マップ一位のベネズエラ。一度体験してみて欲しい。
2. Madagascar(マダガスカル)
闇ポイント:アクションが全て最悪なものに置き換えられている
ベテランに「闇マップといえば?」と聞いて複数の方から名が上がっていて期待値の高かったマダガスカルマップ。期待を裏切らない闇だった。このマップのユニークな点は、アクションが全てマイナス効果のもの(バッドアクション、と呼ばれている)に置き換えられ、輸送一回、最終敷設、都市化したら1枚だけ、機関車はアップするが敷設0枚など、何を取っても損しかしないアクション選択フェーズとなっている。通常、利益があるからアクションを選ぶのに、絶対選びたくないものを避けながら渋々何かを選ばされる、という驚きのルール変更。1、2個の「特別アクション」があることが通例の蒸気のはずなのに、全てのアクションを根底から変えてしまい、アクション選択の概念を覆している素晴らしい闇マップである。
3. Reversteam(リバースチーム)
闇ポイント:色付き都市はその色以外を全て受け入れるので、物流がすぐ止まる
見た目は基本マップのラストベルト。しかしよく見てほしい。五大湖が、左右が、反転している!タイトル通り、全てがリバースされた闇マップなのだ。もちろん、全てというからには、土地だけでなく、一番強力な反転が「都市」となっている。赤い都市は、通常赤いキューブを受け入れるために存在しているが、なんとこのマップでは「赤以外のキューブを全て受け入れる」のである!このルールのどこが闇かというと、赤以外の全てのキューブがそこで輸送を終了してしまうため、高リンクが作れず物流がすぐ止まってしまうのだ。これにより、都市化ブロック(※自分のためではなく、他プレイヤーの経路にある町を都市化すること)の鬼畜さが際立ち、そもそも高リンクが作れないため機関車の価値が低下する。誰だこんなマップを作ったのは!?というレベルで闇である。このマップのルールに慣れ、リバースチーム脳になった4ラウンド目以降はなんとか運べるようになったが、その後遺症として、他のマップを遊んでも(赤は赤以外の都市で止まるから…)と混乱してしまうこと間違いなし!
4. Detroit Bankruptcy(デトロイト財政破綻)
闇ポイント:1人以外が脱落するまで続くデスゲーム方式
こちらは勝利条件が通常と異なり「自分以外を脱落させる」という、デスゲーム方式なのだ。「わかりやすい悪」を内包した闇マップである。初期発行株は5なのに、所持金は0ドルで開始。さらには商品チャートには一個ずつしか商品がなく、争いしか生まない意地悪仕様である。借金の計算を通常の蒸気よりもシビアに行わなければならず、一手の間違いも許されない上級マップである。1人以外は全員破産するようにルール設計されている時点で、もう闇にしかならない。一度収益がプラスになったのも束の間、株式発行数が多い、かつ商品が運べず収入減のみが発生し、次第にマイナスになっていく様は、他のマップでは味わえないタイプの急降下であろう。
5. Atlantis(アトランティス)
闇ポイント:中央に、しかも人数分しか商品補充されない
高額敷設が必要な険しい山に囲まれた中央のアトランティスにしか商品が支給されず、しかもプレイヤー分しか支給されないため商品がかなり少ない。輸送は1人2回行うんだが??全員群がったらどう考えても足りず、地獄のあり様である。従来強い機関車や都市化アクションよりも、遠くに繋ぎ延命が可能な技術士アクション、ターン順や優先輸送の重要性がとても大きくなったマップ。このマップを遊んだ当時、闇マップをあまり経験したことがなく、イベント会場で初対面の蒸気プレイヤーと共に悲鳴を上げてプレイしていたことが記憶に新しい。
6. Cyclades(キクラデス諸島)
闇ポイント:特別アクション「風向きの変更」で1方向の輸送が全てロックされる
キクラデス諸島で繰り広げる、線路のない概念蒸気。プレイヤーの所有マーカーは、グリッドの交点か境界線に配置する珍しい形。経由した島数=リンク数となっていてわかりやすいが、特別アクション「風向きの変更」アクションがとてもやっかいだ。それは、このアクションにより東西南北いずれかの輸送が1方向禁止されてしまう。例えば、南方向への移動を禁止するとした場合、マップの下方向に運ぶ輸送が全て不可となってしまう。これにより、自分はその方向に動かすルートを構築せず、ずっと南をブロックすることにより、他の人全員を苦しめることになる。個人攻撃でなく全体攻撃が許されているというわけだ。なんという闇マップ!かわいいアヒル駒で闇が緩和されるかというと、そんなことはなかった。
7. Slovakia(スロバキア)
闇ポイント:都市色可変、ラウンド終了時にランダムに都市色変更、キューブがある限りエンドレス
2人用マップを代表する闇蒸気、スロバキア。都市色が可変、色が他都市とかぶるとラウンド終了時にランダムに色が変更されるという。なんじゃそりゃ!と言いたくなるインディーズマップである。街からキューブがなくなるまで無限にゲームは続く。難易度は最高級。これはプロトだろ?とスレッドで物議を醸した本マップ。ビターな蒸気をお望みのあなたに。
8. Montréal Métro(モントリオール・メトロ)
闇ポイント:政府の線路が敷ける、2人以上がパスするとパスしたプレイヤーは全員アクション選択できない
カナダのモントリオールを舞台にしたマップ。珍しいことに複数ページに渡るルール記述があり、蒸気拡張の中でも比較的ルールが複雑な部類に入る。特筆すべき点その1は機関車レベルで、なんとxとyの2軸方向に機関車レベルを伸ばせる!これだけ聞くと(え?機関車レベルが伸びるんだったらなんでもいいのでは?なぜ闇?)とお思いの方も多いだろう。y軸のアップは、なんと後述の政府の線路にしか使用できない。また、x軸をアップグレードしたらy軸は元に戻るので、最初からやりなおしなのだ。特筆すべき点その2は、ラウンド開始時に政府の線路を1人が担当して敷くのだが、これがまた人の邪魔を「無料」でできる強力なツールとなっているのだ。政府の線路は、機関車のy軸がないと運べない上に、使用しても収入が増加しないため、ちっとも嬉しくないのだが、これを使用しないと運べないように誰かが敷いてしまうのがこのマップなのだ。蒸気を何度も遊んだことのあるメンバー同士で遊んだが、政府線路の敷設による邪魔ムーブが毎ラウンド発生し、考えることが多くとんでもないカオスな世界へ突入した。問答無用で闇マップトップ10にランクインだ。
9. Human Body(人体)
闇ポイント:青と赤の都市が実質同色、毎ラウンド青か赤に統一され輸送不可能に
人体で酸素と二酸化炭素を毎ラウンド交互に心臓に運ぶ。なんでやねん蒸気シリーズ(なぜこんな場所で線路を敷くのか!?マップ)の代表選手、人体マップ。赤の都市、青の都市が実質同色となり、奇数ラウンドでどちらも赤色に、偶数ラウンドでどちらも青色の都市となる。すなわち、これらを経由するルートを構築していた場合、赤と青は必ずどこかで止まってしまい、全く長距離リンクが作成できないのだ。一色だけならまだわかるが、2色も止まってしまうなんてどういうことだ?もうこのルールを読んだ時点で闇マップ検定合格マップだと理解した。筆者の蒸気人生で初めて破産を経験したマップで、良くも悪くも忘れることのないマップとなった。
10. 20,000 Rails Under the Sea(海底2万マイル)
闇ポイント:7へクスのタイルを配置する権利がある人が限られている、敷設が高額
土地を自分達で作っていく、救済措置のない変則マップ。都市化アクションや、競りで1位を取った人のみがこの土地へクスを置けるため、もちろん自分のルートの延長となるように新タイルを広げていって置くわけである。置けるプレイヤーが限られているため、都市の独占が簡単に発生する。また、線路はターン中に何枚敷いても良いという一見自由度の高いルールが存在するが、タイル配置コスト累積ルールにより敷設枚数に歯止めが効いている。実質、3枚ぐらいしか敷けないのだ。見せかけだけ優しく、騙された気分になる。これらの闇ルールの存在の他、受け入れるキューブ色が限られているなどのトリッキーなルール変更点が多く、考えることが非常に多い。ベテラン勢も大混乱の上級者・闇マップである。
最後に
蒸気の時代、闇マップを紹介しましたが、いかがでしたか?お気に入りの闇マップは見つかりましたか?こうしたテーマに沿った記事を書くことで、今までプレイしたマップを振り返ることができ、個人的にも書いていてとても楽しかったエントリーでした。この記事で、遊んでみたいマップが見つかればこの上ない喜びです。これらのほかにも、まだ未知の闇マップが存在するかもしれません。あなただけの闇マップを見つけて、ぜひシビアなルールに痺れてみてください!
ボドゲイムhiro (@bodogeimu) | Twitter
Twitterでは所属サークルのゲーム紹介の他、アメリカで日々遊んだゲームなどをあげています。最近は蒸気の時代に関するツイートが多いです。
よければFollowしてください。
最近、音声メディアをはじめてみました。第2回は蒸気の時代の話をしているので、よかったら聴いてみてください。
ボードゲームラジオ「hiroステ」
— hiro@ボドゲイム (@bodogeimu) July 20, 2022
第2回を早速公開しました🎧
ゲストにしいたけ氏をお呼びし、名作「蒸気の時代」の魅力について話しました!蒸気のどこにハマったか、数多の拡張マップの入手方法、普段遊ぶマップの選び方など✨Check it out!#hiroステ
#2 蒸気の時代の魅力 https://t.co/WRIXiWeKuz
それでは!
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