先日もお伝えしましたが、今年は日本にしばらく帰国していたこともあり、国産ボードゲームも含めたくさん遊べた2018年上半期。この180日で遊んだボードゲームの数は110個でした!!!
そしてこの上半期に遊んだボードゲーム110個を振り返り、面白かったボードゲーム10選を選別し、海外・国産それぞれ雑誌風デザインでまとめてみました!
今回は国産編です。
先日公開した、海外編はこちら。
今回は、国産に限定して10個を選びました。「ゲームマーケット」と呼ばれる個人制作ボードゲーム中心の祭典でしか手に入らないゲーム(同人ゲーム)がほとんどのようです。アメリカで暮らしていたら滅多に遊べない類という意味でも、私にとっては貴重なゲームたちですが、幸い、日本に帰国した際に、購入せずとも遊ばせてもらう機会に恵まれましたので、今回は国産にフォーカスして、その中でも面白かったものを10個紹介させていただくことにしました。
海外編に比べ、国産ゲームはマイナーなものも多くネットに情報がなく入手困難であることも多いため、今回はルール概要を詳しめに記載しています。それではいきます!!
国産ボードゲームベスト10
まずは雑誌風デザインで!国産ということで、デザインも少し和風にしてみました。アイキャッチになるゲーム「パスタリー」が洋風ですけど(笑)
先日の海外編はサクッとレイアウトできたのですが、今回は和風にするかどうするか迷って1+9のデザインにするまで随分時間がかかりました・・。しかしアウトプットするといろんな課題が見えていいですね。
さて、レイアウトの都合(個人だから何でもありなのに、言いたいだけw)で紹介できなかった細かいルールの部分も含めて、ベスト10、紹介したいと思います!!
◆パスタリー / Pastally
みてくださいこの可愛さ!しかし、外観と裏腹なガチなアブストラクトゲーム!場の3枚の小さな正方形チップを初期配置して、自分のチップからチップへのルートを作成させて点を稼いでいくゲーム。毎ターン2アクションを使って六角形のタイルを配置していく。取れるタイルは限られているがランダムなので、毎回タイルの選択肢から最善手を真剣に考えて置く展開に。
置いたタイルによりできたルートの高さ・枚数が毎ターンポイントになるので、高さを出した長ーいルートだと後半どんどん点数が加速する。ルートができなければそのターンは0点なので、他人の完成ルートを崩す邪魔もかなり重要。完成されたルール、見た目のポップさとは大違いのギャップありなプレイ感。アブストラクトが好きなので、これは高得点!言語依存もなく、長い間遊べそうな良い作品。
◆ダイ公望 / Dai Kou Bou
場に現れた魚1枚に対して、ダイスを使う個数を各自宣言し、ダイスの少ない人から釣りに挑戦していくお手軽ダイスゲーム!通常ダイスと特殊ダイス(10面と20面)があり、特殊ダイスは通常の目として使用もできるが「振り直し能力用」として使用することもでき、次回ターンは使えないので使いどころを考える必要がある。
カードの獲得条件は、ダイス目の合計値を満たすだけではなく「すべて奇数」「4の目が2つ必要」など条件がシビアな場合もあり、サイコロを何個使うかが非常に悩ましい。たくさんダイスを使いたいところだが、ダイスが少ない方が先手チャレンジできるので、あっさりつられてしまうこともあり、思い切りが大切でそのジレンマが最高に熱い!
オンラインセッション(オンラインでボードゲームを遊ぶコミュニティ)で初めてプレイし、前半勝てなくて悔しくなって、リアルなダイスを手元に持ち出してきてシュミレーションしだすほどのガチで熱くなるゲーム!!英語ルール同梱ということで意気揚々と購入し、米国のゲーム会で遊んだところ、重めが好きなゲーマーたちとも盛り上がった!これからも稼働する予定、楽しみだなぁ。
◆ヒトトイロ / Match Me!
お題に対して各自が思い浮かべる色を全員でできるだけ揃える、連想コミュニケーションゲーム。場のテーマが「飲み物」であれば「コカコーラ」というお題を出すことで「コカコーラのブランドカラーといえば赤色と思って出してくれるだろう・・」と思っていたら意外と黒が出たりしてミスマッチが面白い!
手札にランダムな各1色しかない(例えば初期手札に赤がない、という場合もある)ので、1枚目を他の連想で間違って使ってしまうと、その次で使いたいときに使えないから強制的に他の色を出さざるを得なくてさらに誤答になる、という地獄の誤答連鎖が起きて面白い。アイデアが良い!色をマッチさせるというアイデアがあれど、ここまで思いつけないな。手札がランダムでお題も多いから人が同じでも毎回違った展開になるし、5人で5問という設定もちょうど良い長さ。エクセレント!
余談ですが、弟+初対面の方とプレイして、弟とだけは何度やっても完全に出す色が一致。それを出した思惑までズバリ当てられて、やっぱり姉弟だなぁと思いました(笑)
◆ゾーゲン / Zogen
購入してから何十回稼働したかわからない、超☆超お手軽ゲーム。4種の微生物が描かれたカードを各自16枚ずつ持ち、残り3枚になるまでどんどん場に出していき1位の人から点がもらえる、シンプルなスピードゲーム。
出せるカードの条件は、場に出ているカードの微生物が±1匹だけ"増減"しているカードだけ(2匹のカードが出されていたら、1匹か3匹のカード)。その際、増減した微生物の名前(まる・やま・しり・つき)を叫びながら出す必要がある。これだけだとシンプルだけど、なんと手札を出す時に嘘をついてもよくて、意外とバレない。(「まる」のマークが増減しているのに「つき」と言って出す、など)これを見破った人はダウトみたく「ZOGEN!」と叫び、場のカード2枚だけをチェック。本当に嘘をついていたら、その人は自分の色のカードを全て手札に戻させられてリスタート。ZOGENが失敗したら、ZOGENを言った人が同じハメに。このZOGEN制度があることがうまく効いてて、ただのスピードゲームではなく他者とのインタラクションが生まれてる!
スピードゲームにも得意不得意があり、スルッと嘘をつける人とそうでない人の差も開いてしまうこともあるが、枚数などでハンデをつけることも可能で、場所を選ばずわいわい盛り上がれる。10分だけしか時間がないときにも稼働するパーティゲームの良作!
◆メトロックス / Metro-X
地下鉄マップにある各路線に数字を書き、○をつけて埋めていく紙ペンゲーム。
共通の場のカードの数字分、各自が路線に○をつけていく。例えば「3」のカードが出たら、どこの路線に○をつけるか決め、□の二重枠に「3」と書きこみ、そこから伸びる□の一重枠の路線に○を3つ連続で書き込む。カードの中には「○を飛ばせる数字カード」や「交差する路線の数×2点を書き込む」「任意の場所に○をつける」などの特殊カードも存在し、それらがランダムで出てくる。なかなか路線完成計画がうまくいかない。残った空白はマイナス点になるのでなるべくマスは埋めたいが、1本あたりの路線に書ける数字が決まっているので、交差したり乗り入れたりしている路線をうまく活用し、複合的にゴールを狙う必要がある。
このゲームの面白さは、実在する地下鉄の路線なのでローカルトークが弾む点、書き込んでいくが数字がランダムなので中々路線が完成せず、完成したときの達成感が大きいこと!最近Welcome to...やガンシュン・クレバーなどの紙ペンゲームがトレンドだが、このゲームも国産紙ペンゲームとして是非推していきたい作品。実に面白い!!
◆トマトマト / Tomatomato
場にカードを1枚ずつオープンさせ順に早口で読み上げていく。誰かが間違ったらカードを取る、それだけ。
SNSでこのゲームの画像を見たとき、(トマト、まと・・まさかこれイラストを読み上げるだけ!?マジかよww)となったのですが、ルールを聞いても、そのまんま。たったそれだけなのになぜか面白い。トマト、という言葉の語感も良いのか?着眼点、ルールメイクの天才だこれは。
このゲームはゲームマーケット2018春に販売されたのですが、数が少なく持っている方が2018年7月現在とても少ないです。が、HNがとまとさんというブロガーの方に遊ばせてもらえるという貴重な機会を頂き遊ぶことができました。とまとさんのボードゲームレビューブログはこちら。再販してほしいなぁ!
◆妄想トランプ / Delusion Card Games
なんとこのボードゲーム、妄想トランプというのにトランプが入っていない!!その名の通り、妄想してトランプで遊びます。説明書に何種類かトランプのゲームが書いてあるので、それを口頭でプレイするのである!
カードを全て記憶するわけではなく、自分の言ったカードの数字だけメモができ、存在しないカードを言った人が負けるというわかりやすいルール。例えばポーカーだったら「私、5・6・7・8・9のストレートだわ」と口頭で言い、言った本人は5〜9をメモに書けるけど、聞いた他プレイヤーはそれを書けない。トランプは各数字が4枚しかないはずなので、5枚目の存在しえないカードを言ってしまうと「ミス」となる。
このゲームが面白い点、それはただ覚えるだけでなく、トランプ的に負けても負けであるところ!人が覚えにくいであろう数字をいじわるで言っても、ポーカーの手が強くないので結果的に勝てなかったりする。この発想には脱帽!
こちらは制作者の「ペンとサイコロ」ろいさんに遊ばせてもらい、ろいさん制作ゲームを複数個遊んだ中でも発想が一番素敵でした。なお、ろいさんの公式サイトはこちら。
◆タギロン / Tagiron
「たぎる論理」という個人制作同人ゲームのジェリージェリーカフェ・リメイク版。ついたてに数字タイルを5枚隠し、質問カードで相手の数字タイルの色・数字を当てる論理パズル!色は赤・青・緑があり、写真にあるように「中央の3枚の合計数は?」などの質問に相手は正直に答え、それを手元の紙に書き込んでいく。2人プレイだけでなく4人まで遊べ、ルールがそれぞれ異なって飽きない!
公式HPとルールはこちら。
たぎるシリーズはこの他にも「たぎる交差」「たぎる表裏」などがあるが、その中で一番ちょうど良いたぎり具合!英語も併記されているためアメリカでも遊べる。結構真剣に考えないと勘だけでは当たらないので、論理パズルが苦手な遊ぶときは要注意!!
◆18 / 18
発想が美しい、2人専用ゲーム。ゲームタイトルにある通り、18本の木の棒のみを受け取る。行うことはジャンケンのみ。ジャンケンをして、使った指分(パーなら5本、チョキなら2本、グーなら0本)を18本の棒から消費していく。何度もパーを出すと棒がすぐなくなってしまうので、パーはここぞという時(特定のラウンドのみ得点が2倍になる)にしか使えない。しかし、それだと出す手が読まれてしまうので、うまく緩急つけながら相手の心を読む心理戦の要素もある。
普段行うジャンケンが違うゲームに感じられる、発想の転換を行ったゲーム。ラウンドが全て終了した際、棒が残ってるとその分マイナス点になるので、きっちり使った方が良い。タイトルの清さも100点。2人で遊ぶのに限られてしまうが、コンパクトな箱で持ち運びやすく、サクッと遊べそうである。
◆はっけよいゲーム / Hakkeyoi Game
最後は、はっけよいゲーム。ぷよぷよなどをデザインされた米光一成さん他の作品。
手札を各自持ち、場に1枚ずつカードを出して行く。「はっ・け・よ・い」の4種のみ出すことができ、すでに出されたカードを出した場合、そのカード数に応じて「のこったカード」を取得できる。「のこったカード」は手札にストックしておく。場にはっけよい4種が最低1枚以上揃ったら、第2フェーズ開始となり「のこった」カードを前の人以上出していくゲームにがらっと変わる。一人が「のこったのこった」を出すと、次の人は「のこったのこった」のカード以上を出さなければならない。ただし一番上に重ねたカード以上を出せばいいので、3+1で4回分ののこったが出されても、一番上のカードが「のこった(1回)」だけだと、次の人は「のこった(1回)」以上を出せば良い。一人以外が出せなくなったら、最後に残った人が得点を GET。
これ、はっけよいカードを出すフェーズでは「のこったカード」をなるべく多く取る必要があるので、かなり悩ましい知的なやりとりが為される。対して、のこったフェーズで「のこったカード」を出すタイミングで「のこったのこった」とただひたすらに言い、どんどん出していくところがとても良い。この緩急がうますぎてシビれる。最初はノリでのこったのこった言うだけのゲームかと思ってだけど、しっかり考えないとあっさり土俵の外ならぬ蚊帳の外になり全然勝てない。イメージとギャップのある、ガチプレイ感もやられた感!!
おわりに
やっと紹介が終わった・・国産ゲームはネットに情報がないことも多く、入手も困難であることが多いため、今回はルール概要を記載してみましたが、いかがでしたでしょうか。知名度のある海外ボードゲーム紹介より、随分記事公開に時間がかかってしまいましたが、自分の好きなゲームを紹介でき、満足です!
この雑誌風ベスト10画像を公開後、レイアウトのご依頼があったり、その他、色々なことが動いていて、まだ見ぬコラボにワクワクしております。後悔せぬよう善を尽くします。
長らく日本帰国していた代償の時差ボケもやっと治り、NYでもぼちぼちオープン会にも参加しています。ゲーム会で遊んだボードゲームのレビューもブログ形式で書いてみたいと思います〜。
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